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カクイチ、農作物への散水事業でAI使う散水支援システムを提供開始

DIGITAL X 編集部
2020年5月13日

鉄骨ガレージ事業などを手がけるカクイチは、同社の農業用散水事業において、育成状況に合わせて適切なタイミングで散水できるよう支援するシステムを2020年4月に提供を開始した。育成状況を示すセンサーデータをAI(人工知能)で分析しタイミングを割り出す。システム開発・運用において日本IBMと業務提携した。2020年4月14日に発表した。

 カクイチの「アクアソリューション事業」は、農作物に独自に開発した「ナノバブルウォーター」の散水装置を貸し出すもの。ナノバブルウォーターとは、直径1マイクロメーター以下の気泡を含む水で、農作物の成長促進や収穫量の増加、農薬使用率の低減などの効果があるとしている。

 今回、ナノバブルウォーターを育成状況に合わせて適切なタイミングで散水できるようにするための仕組みの提供を開始した。農園やビニールハウスに取り付けたセンサーで収集した照度や湿度、気温、土壌の水分、地中温などのデータをAI(人工知能)で分析し、最適な散水のタイミングを提示する(図1)。

図1:カクイチが散水事業で導入したシステムの概要

 農業生産者はスマートフォン用アプリケーションを使って、育成状況や分析結果、ナノバブル発生装置の設定などを確認できる。システムが提示するタイミングに合わせて散水する。

 新システムの開発・運用において日本IBMと業務提携した。そのうえで、データ分析モデルを作成には、IBMの統合分析プラットフォーム「Watson Studio」を採用した。

 スマホアプリの開発では、デジタル変革のための包括支援サービス「IBM Garage」を採用した。アイデアの創出からPoC(Proof of Concept:概念検証)、実証実験までをアジャイルに繰り返す開発支援策で、カクイチの農業スペシャリストと日本IBMのエキスパートが共同で開発に取り組んだという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名カクイチ
業種製造
地域長野市(本社)
課題農作物への散水タイミングを育成状況に合わせて最適にしたい
解決の仕組み照度や湿度、土壌の水分量などのデータをセンサーで取得し、AIで分析することで最適な散水タイミングを提示する
推進母体/体制カクイチ、日本IBM
活用しているデータ照度、湿度、気温、土壌の水分、地中温などのデータ
採用している製品/サービス/技術統合分析プラットフォーム「Watson Studio」とイノベーション創出支援サービス「IBM Garage」(いずれもIBM製)
稼働時期2020年4月