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日本通運、物流センターにピッキングロボをサブスクリプション型で導入

DIGITAL X 編集部
2020年5月26日

日本通運は、東京・大田区の平和島で運営する物流センターにピッキングロボットをサブスクリプション型で導入した。ロボット導入の初期投資を抑えつつ、ピッキング作業の効率化と作業員の負荷軽減を図るのが狙い。ピッキングロボットを提供するRapyuta Roboticsとプラスオートメーションが2020年5月4日に発表した。

 日本通運が導入したのは、ピッキング作業を人と協働して行うロボット。物流センターに設置済みの棚を生かし、ロボットがピッキングする商品を保管している商品棚を探索。同行した作業員が商品棚から商品をピッキングしロボットが持つケースに移す。ピッキングが終わりロボットに装着されたタブレットの完了ボタンを押すと、ロボットは次の商品棚に移動する(図1)。

図1:日本通運が導入した協働型ロボットを使ったピッキングの流れ

 採用したのは、ロボット専用クラウドの「rapyuta.io」と倉庫向け協働型ピッキングアシスタントロボットの「AMR」。開発元のRapyuta Roboticsは、チューリッヒ工科大学からスピンオフした大学発ベンチャーで、日本に本社を置き、ロボットを活用した自動化ソリューションに取り組んでいる。

図2:倉庫向け協働型ピッキングアシスタントロボットの「AMR」

 これを物流センター向けロボットなどを手がけるプラスオートメーションが、ロボットのサブスクリプション型サービスであるRaaS(Robotics as a Service)として提供する。額定額料金には、使用料やメンテナンス料などロボットの利用に伴って発生する全費用が含まれる。

 導入に先立ち日本通運とRapyuta Roboticsは、1年半にわたり実証実験を繰り返してきた。結果、ロボットと作業員による協働によって、ピッキング作業の効率化と作業員の負荷軽減ができることを確認した。

 日本通運は今後、複数拠点へのAMR展開を視野に入れている。同社ロジスティクス開発部部長の板持 直樹 氏は「AMRは『小物』『多品種』『少量』という要素を抱える日本の物流現場にフィットするソリューションだ。物流センターのオペレーションをより高度化していくためには、さらなるイノベーションが必要だ。今後は『rapyuta io』を活用しながら、次世代物流センターの構築に共に取り組んでいきたい」としている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本通運
業種物流
地域東京都港区(本社)
課題物流センターにおけるピッキング作業の効率化と作業員の負荷軽減を初期投資を抑えながら実現したい
解決の仕組みピッキングロボットサブスクリプション型サービスとして導入する
推進母体/体制日本通運、Rapyuta Robotics、プラスオートメーション
活用しているデータピッキング対象の商品データおよび保管されている商品棚の位置データなど
採用している製品/サービス/技術ロボット専用クラウドの「rapyuta.io」と倉庫向け協働型ピッキングアシスタントロボットの「AMR」(いずれもRapyuta Robotics製)
稼働時期2020年