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独フォルクスワーゲン、工場の「Volkswagen Industrial Cloud」への接続を加速
独フォルクスワーゲンは、構築中のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)プラットフォーム「Volkswagen Industrial Cloud」への各地の工場の接続を加速する。各工場の生産設備をクラウド上のアプリケーションで分析し、生産性向上と生産コストの削減を目指す。2020年4月29日(ドイツ時間)に発表した。
独フォルクスワーゲンは2025年に、2016年比で工場の生産性を30%高めることを目標に掲げている。「Volkswagen Industrial Cloud」は、その目標を達成するための手段の位置付けで、2019年にドイツとポーランドの3工場をIndustrial Cloudに接続。2020年には、さらにドイツとチェコ、ハンガリー、スペインにある15の工場を統合する計画だ(図1)。
Volkswagen Industrial Cloudは、工場に設置されている数十万台の機械および工場内装置の稼働データを記録し、そのデータをクラウド上の各種アプリケーションで分析するためのプラットフォームだ。
Industrial Cloud構築の最初のステップとして同社は、15のアプリケーションを定義し標準化した。Industrial Cloudにつながる全工場で利用できる。これにより設備の予測メンテナンスの実施と車両生産におけるリーワーク(追加作業)の削減を期待する。15のアプリケーションの実用化におり2025年末までに約2億ユーロのコスト削減を見込んでいる。
今後は、同社が保有する124の工場すべてのデータをクラウド上で評価することで、合計で数十億ユーロのコスト削減効果が得られると見ている。
Industrial Cloud向けのソリューションとアプリケーションは、オープンエコシステムに所属する他社と共同開発するとともに、他の企業がIndustrial Cloudを利用できるようにもする予定である。
Volkswagen Industrial Cloudの構築においては独シーメンスが統合パートナーになり、米AWSのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」上に構築されている。
企業/組織名 | 独フォルクスワーゲン |
業種 | 製造 |
地域 | 独ヴォルフスブルク(本社) |
課題 | 2025年に、2016年比で工場の生産性を30%高める |
解決の仕組み | 工場の機械・設備をクラウドに接続し、その稼働状況を標準化したアプリケーションで分析・評価する |
推進母体/体制 | 独フォルクスワーゲン、独シーメンス、米AWS |
活用しているデータ | 工場内の生産データや機械・設備の稼働データ |
採用している製品/サービス/技術 | IoTプラットフォーム「MindSphere」(独シーメンス製)、クラウドサービス「Amazon Web Services」(米AWS製) |
稼働時期 | 2019年(3工場に導入)、2020年内には、さらに15の工場に導入する予定 |