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独BMWグループ、工場での部品の搬送を支援するAIロボットの開発を推進
独BMWグループが工場内で部品を搬送するためのAIロボットの開発を進めている。工場内のロジスティクスを改善し、顧客ごとにカスタマイズした自動車を、より早く、より効率的に生産できる体制を構築するためだ。ロボットの開発技術を提供する米NVIDIAが2020年5月14日(米国時間)に発表した。
独BMWグループが工場でのロジスティクスを担う5つのAIロボットの開発を推進している。工場内での部品搬送に伴うワークフローの改良が目的だ。具体的には、自動車用部品を自律的に運搬するナビゲーションロボットや、部品を選定・整理するマニュピレーションロボットなどである(写真1)。
同グループが販売する自動車台数は、この10年間で250万台へと倍増し、部品の数が増え続けている。加えて各車両には平均100通りのオプションを用意しており、顧客からの注文の99%が異なる仕様になっている。結果、グループの工場には、4500以上のサプライヤーのサイトから数百万点の部品が届いており、工場内のロジスティクスの改善はが大きな課題になっている。
BMWが開発中のロボットは、周囲の環境を把握し、物体を検知することで自律的に動作する。そのために、ディープニューラルネットワークを使って、(1)認識、(2)セグメンテーション、(3)ロボット自身および人間の姿勢評価を実行している。開発環境には、米NVIDIAが開発・提供する「Isaacロボティクスプラットフォーム」を採用した。
ロボットには組み込み用プロセサ「NVIDIA Jetson」を搭載し、「EGXエッジコンピュータ」を活用してロボットのAIモデルを開発する。「NVIDIA DGX AIシステム」と「Isaacシミュレーションテクノロジー」を使ってロボットの学習とテストを実施している。学習を向上させるために、「NVIDIA Quadro レイトレーシングGPU」を使い機械部品をレンダリングしてもいる。
企業/組織名 | 独BMWグループ |
業種 | 製造 |
地域 | 独ミュンヘン(本社) |
課題 | 製造台数やカスタマイズ対応により自動車の部品数が増えており、工場内の搬送を見直し生産効率を高めたい |
解決の仕組み | 自律的に動作するAIロボットを導入し工場内ロジスティクスのワークフローを改善する |
推進母体/体制 | 独BMWグループ、米NVIDIA |
活用しているデータ | 工場における生産状況および材料・部品・人の位置情報など |
採用している製品/サービス/技術 | NVIDIA Jetson、EGXエッジコンピュータ、Isaacロボティクスプラットフォーム、NVIDIA DGX AIシステム、NVIDIA QuadroレイトレーシングGPUなど |
稼働時期 | 2020年5月時点では開発中 |