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アズビル、工場の作業記録を現場でデジタル化するシステムを構築し外販へ

DIGITAL X 編集部
2020年6月8日

アズビルは、湘南工場において、現場担当者が手書きで作成している作業記録をデジタル化するシステムを構築した。作業記録の作成時間を短縮するとともに、誤記入・転記ミスを抑制するなどの効果を得られた。同システムはクラウドサービスとして外販もするとして外販する。2020年5月18日に発表した。

 アズビルが同社、湘南工場に導入したのは、生産や検査、設備点検など製造現場の担当者が手書きで作成している作業記録をデジタル化する仕組み。手書きに代えて、スマートフォンやタブレットを操作して作業記録を入力し、クラウドで管理する(図1)。

図1:アズビルが開発した作業記録用アプリケーションの概要

 湘南工場では、2019年4月に新生産棟を竣工させており、新システムの検討を重ね開発した。記録作業の短縮や誤記入・転記の抑制、リアルタイムなデータ共有などの効果が得られている。今後は、さらなる検証を続け、巡回点検や修理記録などへ適用範囲を広げていく考えだ。

 作業記録用のアプリケーションは、プログラミングの知識を持たない現場管理者などでも、PC画面上でドラッグ&ドロップなどの操作で開発できるようにした(図2)。記録項目から業務に必要な項目を選択すればよい。記録可能な項目は、文字や一覧表選択のほか、QRコードからのデータ取得、画像撮影などに対応している。

図2:作業記録用アプリケーションの定義画面の例

 記録した作業データは外部に出力できる。BI(Business Intelligence)ツールを用いたデータの集計・分析や、MES(Manufacturing Execution System)など他システムとの連携が可能だ。これにより製造指図に則った工程進捗管理や機械と人の作業情報を統合したトレーサビリティデータの可視化ができる。

 アズビルは湘南工場で開発した仕組みをクラウドサービス「現場でつくる作業記録サービス」として外販もする。2020年5月にプレビュー版の提供を開始しており、2020年7月から正式版をサブスクリプション型で提供する計画だ。料金は1ID当たり月額5000円(税別)を予定する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名アズビル
業種製造
地域神奈川県高座郡寒川町(湘南工場)
課題製造現場の作業記録を担当者が手書きで作成している
解決の仕組みスマートフォンやタブレットからデータを入力できるようにする。そのためのアプリケーションをプログラミングスキルがない現場の管理者でも作成できるようにする
推進母体/体制アズビル
活用しているデータ工場の製造や検査、設備点検などの作業記録
採用している製品/サービス/技術作業記録用アプリケーションとその開発環境(アズビル製)