• UseCase
  • 流通・小売り

ディノス・セシール、ダイナミックプライシングのための最適化アルゴリズムを開発・実用へ

DIGITAL X 編集部
2020年6月15日

ディノス・セシールが、ダイナミックプライシングの導入に向けた開発を進めている。「セシール」ブランドのオンラインショップを対象に、需給に合わせて商品の価格を動的に変えられるようにする。そのための数理モデルや最適化アルゴリズムを開発する。開発を支援するブレインパッドが2020年5月21日に発表した。

 カタログ販売やEC事業を展開するディノス・セシールは、「セシール」ブランドのオンライショップにおいて、需給の変化に合わせて商品価格を動的に変える「ダイナミックプライシング」を導入する。そのための数理モデルや最適化アルゴリズムを開発し、実地検証をしながら段階的に実用化を図っていく考えだ。

 セシールでは、値引きのタイミングや値引き率は熟練者が設定してきた。それでも需要をとらえ切れず在庫が残るという課題を抱えていた。その解決にダイナミックプライシングを適用する。

 ただ一方で、ITベンダーらが提供するダイナミックプライシングのための各種ツールの多くは、ホテルの宿泊費や航空券のチケットなどに特化したものがほとんど。アパレル業界が望む、商品の独自性やトレンドを加味したSKU(Stock Keeping Unit:最小管理単位)ごとの需要予測には対応できていない。

 そこでセシールは、自社サイトおよびアパレル業界特有の制約条件を加味したダイナミックプライシング技術を開発することにした。データ分析技術などを持つブレインパッドをパートナーに選択し、開発をスタートさせている(図1)。

図1:ダイナミックプライシングの実現アプローチ

 開発に向けて最初に実施したのは、データの準備だ。ブレインパッド製DMP(Data Management Platform)である「Rtoaster」や、サイトのアクセス分析ツール「Google Analytics」(米Google製)を使って過去の購買履歴データを調査。ダイナミックプライシングの実現に必要なデータを補完・推定し、データ環境を整備した。

 そこから2つのモデルと販売価格を定める数理最適化アルゴリズムを開発した。モデルは、(1)商品ページへの訪問者数を予測するモデルと、(2)商品ページ訪問者の購買確率を予測するモデルである。両モデルと在庫数から価格を決定することで、ブレインパッドは売上改善効果が2%強~4%弱、利益改善効果が6%弱~10%強になると試算する。

セシールとブレインパッドは今後、2つのモデルと数理最適化アルゴリズムを基に、モデルの改善と多機能化、および実運用のためのシステム化を進め、ダイナミックプライシングを導入する考えである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ディノス・セシール
業種流通・小売り
地域東京都中野区(本社)
課題値引きのタイミングや値引き率を熟練者が設定しているが、需要をとらえ切れず在庫が発生してしまう
解決の仕組み需給に応じて最適な価格を動的に決めるダイナミックプライシングを導入する。そのために、自社サイトおよびアパレル業界特有の制約条件を加味した技術を自社開発する
推進母体/体制ディノス・セシール、ブレインパッド
活用しているデータ購買履歴、在庫などのデータ
採用している製品/サービス/技術DMP「Rtoaster」(ブレインパッド製)、Google Analytics(米Google製)、数理最適化技術