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愛知県豊田市、水道管の効率的な更新に向け劣化をAIで予測

DIGITAL X 編集部
2020年6月19日

愛知県豊田市は、水道管の更新効率を高めるために劣化度合いをAI(人口知能)で予測する。予測には、同分野のベンチャー企業Fracta(フラクタ)と契約し、Fractaの技術を活用する。2020年5月25日に発表した。

 愛知県豊田市は、老朽化が進む既設の水道施設の更新に向け「水道ストックマネジメント計画」を策定し、市民への水道の安定的な供給に取り組んでいる。水道管の更新計画を老朽化の進展度合いに応じて決定できるように、AI(人工知能)を使った劣化診断を採り入れる(図1)。

図1:AI(人工知能)を使った水道管の劣化診断のイメージ

 そのために、米シリコンバレーに本拠を置くベンチャー企業Fractaと「水道管劣化予測データ作成業務委託」契約を締結。Fractaが開発・提供する「オンライン管路診断ツール」を活用。同ツールの解析結果を使って、水道ストックマネジメント計画が定める優先順位を補完し、水道管更新の効率を図る。

 Fractaのオンライン管路診断ツールは、水道管の破損確率を解析するもの。Fractaが独自に収集した1000以上の環境変数を含む土壌や気候、人口などのデータベースに、水道事業体が一般的に保有している水道管の素材や使用年数といったデータを組み合わせることで、水道管の劣化状況を判断する。

 今後は、オンライン管路診断ツールを活用しながら、熟練技術者の経験知や暗黙知を引き出し、その可視化とデータ化に取り組み、豊田市の技術者が保有する技術や知見の継承を図る。

 自治体など水道事業体の多くは、水道管の設置年数に基づいて水道管を更新している。水道管周囲の環境が水道管に与える影響を十分に考慮できないため、近年は、水道管の老朽化や自然災害による漏水・破損事故が多発するなど、水道インフラの健全性を脅かす課題が顕在化している。

 同時に、後継者問題も課題になっている。地下にある水道管の健全性を維持するためには、これまで熟練技術者が培ってきた技術やノウハウの継承が不可欠だ。しかし、技術者の経験値や暗黙知の伝承は容易ではなく、水道事業体には大きな課題になっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名愛知県豊田市
業種公共
地域愛知県豊田市
課題老朽化が進む水道管を、設置期間ではなく老朽度に応じて更新したい
解決の仕組み水道管の劣化度をAIで予測し、破損確率の高い水道管から更新する
推進母体/体制愛知県豊田市、Fracta
活用しているデータ水道管の管路情報(GISデータ)や事故履歴、およびFractaが独自に収集した1000以上の環境変数を含む土壌・気候・人口などのデータ
採用している製品/サービス/技術オンライン管路診断ツール(Fracta製)
稼働時期2020年5月