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中部電力パワーグリッド、スマートメーター1000万台体制に向けデータ管理基盤を整備

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年6月24日

送配電事業者の中部電力パワーグリッドが、スマートメーターの設置台数を1000万台に増やすにあたり、スマートメーターで得られるデータの管理基盤を整備している。運用の効率化や、電力小売事業者とのデータ連携などを図る。データ管理基盤用アプリケーションを提供する日本オラクルが2020年6月22日に発表した。

 中部電力パワーグリッドは、電力の自由化を背景に、中部地方におけるスマートメーターの設置を進めている。2014年10月に1万2500台を設置して以降、2020年6月時点で700万台を設置した。2023年までに住宅や商業施設など1000万台にまで拡大する計画だ。

 スマートメーター1000万台体制に向けて、同メーターから得られるデータを管理するための「MDM(Meter Data Managemnt)」システムの整備もしている。直近では、MDMのためのアプリケーションを最新バージョンに更新した。

 MDMを使って中部電力パワーグリッドは、電力の使用状況の可視化や、発電・送電設備の運用効率化を図っている。

 一般家庭に対し、電力使用量が目標に達したことを通知したり、家庭が設置する太陽光発電パネルによる余剰電力の譲渡を可能にしたりしている。加えて、家庭への電力供給サービスの接続・切断や電力負荷制限の設定などは、スマートメーターにコマンドを遠隔送信することで、現場作業員の派遣を不要にしている。

 また電力小売事業者に対しては、データを提供することで、料金計算や電力の需給ピークの把握を容易にしたり、時間帯別の料金メニュー(TOU:Time of Use)の導入を支援したりしている。メーターデータが取得できるため、検針員の訪問は不要である。

 中部電力パワーグリッドは、スマートメーターのデータ管理に米オラクルが開発する公共業向けサービス群「Oracle Utilities」を採用している。MDMには「Oracle Meter Data Management(MDM)」を2013年から使ってきた。各種電力アプリケーションとスマートメーターなどとの接続には「Oracle Utilities Smart Grid Gateway(SGG)」を利用する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名中部電力パワーグリッド
業種公共
地域名古屋市
課題中部地区の全顧客を対象に導入する1000万台のスマートメーターから得られるデータを管理・活用したい
解決の仕組みスマートメーターのデータ管理アプリケーションを使用する
推進母体/体制中部電力パワーグリッド、日本オラクル
活用しているデータスマートメーターで取得できる各種データなど
採用している製品/サービス/技術公共業向けサービス群「Oracle Utilities」。メーターデータ管理の「Oracle Meter Data Management」やデータ連携ツールの「Oracle Utilities Smart Grid Gateway(SGG)」を含む(いずれも米オラクル製)
稼働時期2013年