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愛媛県、国保加入者の健康寿命の延伸にスマホアプリを活用

DIGITAL X 編集部
2020年6月25日

愛媛県は、国民健康保険加入者の健康寿命の延伸と医療費の適正化に向けて、DeNA(ディー・エヌ・エー)の子会社DeSCヘルスケアが提供している健康管理アプリケーション「kencom」を利用する。成果連動型民間委託事業として採択した。DeNAとDeSCヘルスケアが2020年5月28日に発表した。

 愛媛県が取り組むのは、国民健康保険の加入者の生活習慣の改善や自発的な健康づくりを促す仕組みづくり。県在住の19歳から74歳までの国民健康保険の加入者約35万人に健康管理用のスマートフォン用アプリケーションを提供する(図1)。健康寿命の延伸と医療費の適正化を図るのが目的だ。

図1:愛媛県イメージアップキャラクター「みきゃん」(中央)と、同県が採択した健康管理アプリ「kencom」(DeSCヘルスケア製)の画面例

 同県の男性の健康寿命は全国ワースト2位、国民健康保険の特定健診受診率は男女計30.6%で全国41位になっている。国民健康保険に加入する県民の健康状態、あるいは健康への意識が低いことを示す結果が散見される。

 そのため今回、利用者が楽しみながら健康づくりに取り組めることを期待しスマートフォン用アプリケーションを導入する。アプリの利用によって得られる成果の1つである医療費の適正化額を定量的に評価し、財政健全化分の一部をアプリケーションを介した健康促進の委託費用の財源にする。

 採用したアプリは、DeNA(ディー・エヌ・エー)の子会社DeSCヘルスケアが提供している健康管理アプリケーション「kencom」。健診・検診の結果などの健康データを確認できるほか、医師によるコラムや管理栄養士によるレシピ、お金と健康に関する情報などを提供。健康につながるイベントなども開催する。

 同じ成果連動型民間委託事業として山梨県が2019年11月にkencomを採択している。愛媛県の取り組みは、それに続くものだ。

 kencomを提供するDeSCはこれまでに、約80の健康保険組合や健診施設にkencomを提供している。同社は、利用者の健康への取り組みを支援するだけでなく、利用者の罹患や医療費に対しkencomがどのように影響しているかも分析しており、そのノウハウを自治体との連携事業に生かすとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名愛媛県
業種公共
地域愛媛県
課題国民健康保険に加入する県民の健康状態、あるいは健康への意識を高め、医療費の適正化を図りたい
解決の仕組み健康データの管理や健康情報の提供が可能なスマートフォン用アプリケーションを使い、県民の生活習慣の改善や自発的な健康づくりへの取り組みを促す
推進母体/体制愛媛県、DeNA、DeSCヘルスケア
活用しているデータ健診・検診結果や、歩数や体重、食事内容など利用者の健康に関する情報
採用している製品/サービス/技術健康管理アプリケーション「kencom」(DeSCヘルスケア製)