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アフラック、代理店を含めたオムニチャネル戦略を強化

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年7月3日

アフラック生命保険は、顧客へのサービス強化に向け、代理店を含めたオムニチャネル戦略を強化する。自社のコールセンターやWebサイトへのアクセス情報を含め、リアルタイムで共有する。2020年6月8日に発表した。

 アフラック生命保険が導入したのは、同社の保険代理店を対象にしたダッシュボード機能。アフラックが運営するコールセンターが管理する顧客データや、契約者専用サイト「アフラックよりそうネット」のデータと連携し、情報をリアルタイムに共有することで、顧客に対し、より一体化したサービスを提供できるようにする(図1)。

図1:代理店を含めた顧客向けサービス向上のイメージ

 ダッシュボード機能の提供により、代理店の経営者や管理者、募集人は、顧客とのコミュニケーション情報を含む営業活動を可視化できるため、顧客へのサービスレベルを高められると期待する。

 2020年3月から一部の代理店に対し初期機能の提供を開始。機能拡張を図りながら、ダッシュボード機能を利用できる代理店を増やしていく。

 具体的には、サービスの提供を希望する顧客を特定する機能や、データ分析に基づくアフターフォローリストの作成、顧客ニーズに沿ったサービスの提案を支援する「デジタル提案ガイド」などを実装していく。

 ダッシュボード機能を実現するためにアフラックが採用したのは、金融サービス業向けのCRM(顧客関係管理)サービスである「Salesforce Financial Services Cloud(FSC)」(米SalesForce.com製)。国内の保険会社としてFSCを採用したのは、アフラックが初めてだという。

 アフラックはこれまで、コールセンターと契約者専用サイトも、SalesForce.comのクラウドサービスを使って構築してきた。同一ベンダーのクラウド環境にすることで、代理店を含めたデータ連携を実現した格好だ。

 FSCは当初、金融・リテール業界向けに開発され、2019年9月に保険業界向け機能が追加された。保険契約者の家族構成やライフイベントなどの情報を統合して管理できる。

 アフラックは成長戦略として、顧客1人ひとりのニーズに応えるパーソナライズ化したサービスの強化を図っている。そのためにデジタル技術を積極的に利用している。今回のFSC導入も成長戦略の一環だ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名アフラック生命保険
業種金融・保険
地域東京都新宿区(本社)
課題多様化する保険契約者1人ひとりのライフスタイルに合わせたサービスを提供したい
解決の仕組みコールセンターや契約者専用サイトのデータと、代理店システムを連携し、チャネルを問わないサービス品質の向上を図る
推進母体/体制アフラック生命保険
活用しているデータコールセンターや契約者専用サイトが持つ顧客データなど
採用している製品/サービス/技術「Financial Services Cloud」(米SalesForce.com製)
稼働時期2020年3月(一部代理店から導入を開始)