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竹中工務店、建設現場の省人化と生産性向上を両立するIoTシステムを開発

DIGITAL X 編集部
2020年7月6日

竹中工務店は、建設現場における省人化と生産性向上の両立を目指すIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを開発した。リース会社を介した外販にも取り組む。2020年6月9日に発表した。

 竹中工務店が開発した「TSUNAGATE(ツナゲート)」は、建設現場を対象にしたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システム。建設現場に設置する仮設分電盤を介して無線LAN環境を構築し、各種機器をクラウドから一元管理できるようにする(図1)。画像処理技術などの研究開発型ベンチャー企業であるカディンチェのクラウド技術との連携で実現した。

図1:TUNAGATEのシステム構成

 TSUNAGATEは、(1)TSUNAGATE BOXと(2)TSUNAGATE CLOUDで構成される。TSUNAGATE BOXは、IoT端末に位置付けられるPCを内蔵した仮設分電盤。現場での工事用電力の供給と、電力線通信(PLC)技術によるインターネットへの接続機能とを提供する。

 一方のTSUNAGATE CLOUDは、TSUNAGATE BOXを一元管理するためのクラウド環境。TSUNAGATE BOXのPCに照明やデジタルサイネージ、カメラ、センサーなどを接続すれば、TSUNAGATE CLOUDから制御できる。

 今回、TSUNAGATEのIoTアプリケーションの1つとして「TSUNAGATE VIEW」を開発した。TSUNAGATE BOXに建築物の天井に設置したカメラを接続し、その周囲360度の映像を見られるようにする(図2)。

図2:TUNAGATE VIEWの活用イメージ

 TSUNAGATE VIEWでは、カメラを複数設置すれば、視点や日時を変えながら現場を見渡す「バーチャル現場巡回」を実現できる。同社は試算によれば、従来のネットワークカメラより約20%コストを削減できる。

 竹中工務店は今後、TSUNAGATEシリーズのラインアップを強化し、建設現場での省人化と生産性の向上を目指す。併せて日建リース工業などのリース会社と協業してTSUNAGATEを外販し、建設現場への浸透を図りたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名竹中工務店
業種製造
地域大阪市(本社)
課題建設現場の作業の省人化と生産性向上を図りたい
解決の仕組み現場に電力を供給する仮設分電盤にPLC(電力線通信)機能を組み合わせ、建設現場に無線LAN環境を構築できるようにする
推進母体/体制竹中工務店、カディンチェ
活用しているデータIoT端末として機能する仮設分電盤「TSUNAGATE BOX」経由で取得できる各種データ
採用している製品/サービス/技術PLC(電力線通信)、クラウド技術など
稼働時期2020年6月(開発時期)