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JR貨物、コンテナ車の手動ブレーキの解除漏れをIoTで防止へ

DIGITAL X 編集部
2020年7月9日

日本貨物鉄道(JR貨物)は、コンテナ車の手動ブレーキの解除漏れを防止するために、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを使った検知システムを開発した。貨物列車の安全性向上につなげる。2020年6月16日に発表した。

 日本貨物鉄道(JR貨物)が開発したのは、コンテナ車に手動で掛けたブレーキの解除漏れを防止するためのシステム(図1)。保有する約7200両すべてのコンテナ車に2020年度下期から順次導入する。

図1:JR貨物が開発した手動ブレーキの状態検知システムの概念

 コンテナ車の手動ブレーキを解除せずに貨物列車を発車させると、車両の引きずりなどが起きる。これまでは、発車前に担当者が確認していた。今回、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを採り入れることで、解除漏れを防止し運行の安全性の向上を図る。

 コンテナ車には、手動ブレーキの状態を検知するIoT端末を1車両ごとに設置する。ブレーキの状態データは、LPWA(Low Power Wide Area)通信規格の「LTE-M(Long Term Evolution for machine type communication)」を使って地上のサーバーに送り、JR貨物の社内システムが管理する列車番号とひもづける。

 各車両の手動ブレーキの状態は、駅構内や機関車の運転台に設置したモニター画面から確認できる。手動ブレーキがかかったまま列車を出発させようとすると、運転士と担当社員にアラームを通知する。

 システムの開発は、JR東日本コンサルタンツと共同で進めた。LTE-Mの無線通信技術はKDDIが提供する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名JR貨物
業種交通
地域東京都渋谷区(本社)
課題コンテナ車の手動ブレーキの解除漏れを防止したい
解決の仕組みIoTを活用してコンテナ車の手動ブレーキの状態を遠隔から把握し、手動ブレーキを解除せずに出発しようとすると警告を発する
推進母体/体制日本貨物鉄道、JR東日本コンサルタンツ、KDDI
活用しているデータコンテナ車の手動ブレーキの状態情報
採用している製品/サービス/技術IoT、LPWA(LTE-M)
稼働時期2020年度下期(コンテナ車への搭載開始時期)