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海運事業のONE、DXの推進に向けた人材をアジャイル開発手法で育成

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年7月21日

定期コンテナ船事業を手掛けるOcean Network Express(ONE)は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できる人材の育成およびシステム運用体制の変革に向けて、アジャイル開発手法を採り入れる。実際の開発プロジェクトを通して人材育成する考え。アジャイル開発を支援するエムティーアイが2020年6月11日に発表した。

 Ocean Network Express(ONE)は、超大型コンテナ船31隻を含む224隻の船隊を運航する世界6位(2020年1月時点)の定期コンテナ船の事業会社。2017年7月7日に、川崎汽船、商船三井、日本郵船の3社が定期コンテナ船事業を統合して設立し、2018年4月にサービスを開始した。

 今回、デジタルトランスフォーメーション(DX)と市場の変化に対応し、ニーズの変化に素早く対応するために、デジタル人材の育成とシステム開発部門の運用体制の変革を進める。そのためにアジャイル(俊敏な)開発の文化を採り入れる。

 具体的には、アジャイル開発手法を採用する開発会社であるエムティーアイ(MTI)と合同開発チームを形成し、MTIのコーチングを受けながらアプリケーションやソフトウェアなどを共同開発。その過程で得られたノウハウをONE社内に持ち帰り共有することで、デジタル人材の育成と、アジャイル開発文化の定着を図る(図1)。

図1:合同開発チームによるアジャイル文化形成の流れ

 アジャイル開発の体制を採り入れることでONEは、DXの障壁になっていた古い体質や長年積み上げられてきた文化を変革する考えだ。

 アジャイル開発は、アプリケーションやソフトウェアの機能を小さな単位に分け、企画・設計・実装・テストのサイクルを短期間に繰り返す手法。ソフトウェアを機能単位で開発することで、要件変更や機能不足などに対応しながら、短期間での開発を可能にする。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名Ocean Network Express(ONE)
業種物流
地域東京都港区(日本本社)
課題デジタルトランスフォーメーションに向けたデジタル人材の育成と開発部門の組織改革
解決の仕組み外部パートナー企業と合同開発チームを形成し、開発過程で得たノウハウを社内に還元する
推進母体/体制Ocean Network Express、エムティーアイ(MTI)
活用しているデータ——
採用している製品/サービス/技術「エムティーアイDXラボサービス」(MTI製)
稼働時期2020年6月11日