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静岡県藤枝市、一人暮らしの高齢者の見守りにロボット使うサービスを2020年10月から提供へ

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年7月28日

静岡県藤枝市は、一人暮らしの高齢者の見守りサービスにロボットを使うサービスを2020年10月から開始する。会話型のロボットを使って、音声や画像から異常を判断し、メールで警備会社などに知らせる。ロボットを提供するNECが2020年6月23日に発表した。

 静岡県藤枝市が2020年10月に始めるのは、1人暮らしの高齢者を対象にした遠隔見守りサービス。高齢者宅に会話型のロボットを設置し、異常があれば、家族や警備会社、および藤枝市に緊急メールで通知する(図1)。

図1:「みまもり パペロ」を活用した藤枝市の見守りサービス

 高齢者宅に置くロボットには、自治体向けのロボット生活サポートサービス「みまもり パペロ」(NEC製)を採用する。コミュニケーションロボットの「PaPeRo i(パペロアイ)」が、高齢者の話し相手になったり、遠方の家族へ写真を送ったりメッセージをやり取りしたりする。同サービスを利用し、ロボットを介して自治体と警備会社が連携する例は、これが全国で初めてという。

 PaPeRo iは、顔検知や音声認識の機能を持っている。「おしゃべり機能」を持ち、ロボットと会話しているように応答する。NECによれば、平均で1日15回以上、多い人は1日50回以上、ロボットに話しかけるという。

 そうした合間にPaPeRo iは1日に3回、高齢者を撮影する。3回連続して高齢者を検知できないと異常としてメールを送信する。体調不良時には高齢者がボタンを押せば緊急でメールを発することもできる。

 メールを受信した警備会社は、まず高齢者に電話をかけて対応する。電話の応答がない場合は高齢者宅を訪問して安否を確認する。

 PaPeRo iが撮影した写真や話しかけた内容は、インターネット経由でクラウド上に蓄積する。またAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使えば、宅配スーパーと連携した買い物サービスや防災情報サービスなど、自治体独自のサービスを構築できるという。

 藤枝市は2020年7月1日から、この仕組みを3カ月間かけて実証実験する。その後、10月から正式サービスとし、希望者に提供する予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名静岡県藤枝市
業種サービス
地域静岡県藤枝市
課題1人暮らしの高齢者を見守りたい
解決の仕組み高齢者宅にコミュニケーションロボットを設置し、定期的に写真を撮影することで異常を検知し、緊急時には警備会社に連絡する
推進母体/体制静岡県藤枝市、NEC
活用しているデータコミュニケーションロボットが撮影した写真データ、会話データなど
採用している製品/サービス/技術生活サポートサービス「みまもり パペロ」、コミュニケーションロボット「PaPeRo i(パペロアイ)」(いずれもNEC製)
稼働時期2020年10月(7月1日からの3カ月に実証実験を実施)