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東急百貨店、オンラインでも実店舗のように応対するAI接客を実証

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年7月29日

東急百貨店は、実店舗と同様の対面接客をオンラインショップでも実現するための検証を2020年6月8日から6月16日にかけて実施し、その結果を公表した。接客サービスの仕組みを提供するSELFが2020年7月8日に発表した。

 東急百貨店は、同社オンラインショップのギフト提案において、実店舗のような対面接客を実現するAI(人工知能)を使った接客サービスを検証した。「父の日特集」「渋谷ワインステーション」「お中元」などのページで2020年6月8日から6月16日にかけて実施した(図1)。

図1:AI接客サービスによるギフト提案の表示例

 AI接客サービスは、オンラインショップ内の商品解析データに加え、顧客との会話内容やショップの回遊情報から、顧客1人ひとりのニーズやタイミングに合わせて提案する仕組みである。

 検証の導入の結果、AI接客サービスを利用した顧客は、同サービスを利用していない顧客と比較して、商品をカートに入れる割合が約2.5倍に、客単価は約1.6倍に、それぞれ向上したという。

 東急百貨店は、オンラインショップでも百貨店の店頭と同じように、店員と会話を楽しみながら希望の商品やギフトを選べる環境の実現を目指している。今回の検証では、AI接客サービスが、顧客満足度を高め成果につながったとみている。

 AI接客サービスには「SELF LINK」(SELF製)を採用している。SELFは、東急が実施するオープンイノベーションに向けて運営する「東急アクセラレートプログラム2019」の受賞企業の1社である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東急百貨店
業種流通・小売り
地域東京都渋谷区(本社)
課題オンラインショップでも実店舗同様に、顧客が店員と会話を楽しみながら希望の商品やギフトを選べるようにしたい
解決の仕組みAI接客サービスを導入し、会話や回遊状況に応じた提案をする
推進母体/体制東急百貨店、SELF
活用しているデータECサイトの商品データ、サイト回遊情報、会話情報
採用している製品/サービス/技術AI接客サービス「SELF LINK」(SELF製)
稼働時期2020年6月8日から6月16日(実証導入時期)