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独DHLサプライチェーン、倉庫や物流施設でのロボット導入を容易にするプラットフォームの導入を開始

DIGITAL X 編集部
2020年7月30日

独物流大手のDHLサプライチェーンは、倉庫や物流施設にロボットなどの自動化機器の導入を容易にするために、ロボティクス基盤の導入を開始した。導入までの時間の短縮とプログラミング作業の削減を図る。そのために米Microsoftとサプライチェーン関連サービスを提供する米Blue Yonderと協業する。Blue Yonderらが2020年6月24日(ドイツ時間)に発表した。

 独DHLサプライチェーンは、ドイツポストDHLグループ傘下で物流アウトソーシングサービスを提供する企業。「3PL(サードパーティ・ロジスティクス)」や「コントラクトロジスティクス(Contract Logistics)」と呼ばれるサービスだ。

 今回、物流拠点でのロボットなど自動化装置の活用を容易にするために、ロボットを接続するための新プラットフォームを構築し、運用を開始した。複数メーカー製のロボットを選択しながら早期に導入し、プログラミング作業にかかる時間を短縮する。

 同プラットフォームを利用することで、DHLの顧客はニーズに応じたロボットベンダーを選択し、1つのシステムに統合して利用する。顧客ニーズへの対応力が高まると期待する。

 今後、2000以上の全物流拠点にクラウドサービスとして実装する。全拠点導入に先立ち、スペイン・マドリードの物流拠点に先行導入し成果を上げている。

 DHLサプライチェーンのグローバルCIO兼COOであるマルクス・フォス(Markus Voss)氏によれば、「米6 River Systems製ロボットを初めて導入した際に、ロボット導入にかかる時間を60%短縮できた。今後は、ロボット導入にかかる時間を最大90%改善できると見ている」

 フォス氏は、「ロボットやロボットシステムのグローバル展開は、当社の従業員をサポートし、顧客業務を改善するという当社戦略に不可欠だ。ロボットにより将来的に従業員を入れ替えるのではなく、より魅力的で興味深い仕事を人間の労働力に割り当てる」とも話す。

 DHLサプライチェーンが導入するロボットのためのプラットフォームは、米MicrosoftのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)用パブリッククラウド「Microsoft Azure IoT」上で、米Blue Yonderが提供するサプライチェーン用サービス「Luminate」を使って実現している。Luminateは倉庫業務を効率化する機械学習べースのタスク管理機能を持つ。

 DHLサプライチェーンはLuminateを使って、各拠点にはクラウドべースのSaaS(Software as a Service)として展開する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名独DHLサプライチェーン
業種物流
地域ドイツ・ボン(本社)
課題顧客が望む物流機能の実現に必要なロボットや自動化機器の導入に際し、稼働までの時間を短縮し、ロボットの稼働に必要なプログラミング作業を削減したい
解決の仕組みロボティクスのためのプラットフォームを開発し導入する
推進母体/体制独DHLサプライチェーン、米Microsoft、米Blue Yonder
活用しているデータロボットや自動化機器の仕様情報など
採用している製品/サービス/技術パブリッククラウド「Microsoft Azure」(米Microsoft製)、サプライチェーン用クラウド「Luminate」(米Blue Yonder製)