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KDDI、3密を避ける通勤のためのオンデマンド相乗りタクシーを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年8月4日

KDDIが、3密を避けた新たな通勤の形として、オンデマンドの相乗りタクシーの実証実験を自社社員を対象に実施している。特定少人数での移動により感染拡大を抑えるほか、感染時には移動記録から追跡できるようにする。2020年7月9日に発表した。

 KDDIが実施しているのは、ポストコロナを見据え、3密(密集、密接、密閉)を避けた通勤スタイルとしての「オンデマンド相乗り通勤タクシーサービス」の実証実験。自社社員を対象に、各社員が希望する場所を巡回し事業所周辺まで相乗りで送迎する(図1)。

図1:社員が希望する場所を巡回して送迎する「オンデマンド相乗り通勤タクシーサービス」

 オンデマンドの通勤タクシーにより、混雑した電車を回避し、特定の少人数で移動できるようにする。利用者の新型コロナウイルス感染が発覚した場合には、出退勤の移動データから濃厚接触者を特定・隔離し感染の拡大阻止を図る。実験では、渋滞回避による所要時間や“相乗り”に対する利用者の受容性なども検証する。

 運行エリアは、東京の飯田橋と新宿、虎ノ門の各エリアにあるKDDI事業所と都内の一部地域の間。延べ約2000人のKDDI社員を対象に、2020年7月13日から同8月7日までの平日に実施する。タクシーは国際自動車が、ミニバンタクシー、10台程度を運行する(写真1)。

写真1:実証実験で運行するミニバンタクシー

 車内でも3密にならないよう、保健所の指導のもと、種々の対策を実施する。具体的には、ソーシャルディスタンスを意識した座席設定や、常時の換気、送迎後のアルコール消毒、運転手と乗客の事前検温およびマスク着用、運転席と客席を仕切る飛沫防止ビニールカーテンの設置などである。

 サービス利用者の動きはこうだ。出勤に利用する場合は前日夜までに、退勤なら当日昼までに、スマートフォン用アプリケーションで希望の乗降場所と乗降時刻を指定してオンデマンドタクシーの配車を予約する。乗降場所は自宅や職場周辺のコンビニエンスストアなどから選択できる。

 予約締め切り後、配車システムは相乗りのマッチングを計算し運行ルートを確定する。その確定情報が利用者に通知される。配車システムは、公共交通の課題解決を掲げるベンチャー企業、未来シェアが提供する。

 当日、利用者は予約時刻までに乗車場所に向かいタクシーに乗る。タクシーは複数人の利用者をそれぞれの予約場所でピックアップしながら目的地周辺まで送迎する。

 実験に参加するKDDIと国際自動車と、未来シェアの3社は、今後発展するとされるMaaS(Mobility as a Service、サービスとしての移動)としての提供や、ポストコロナ時代における新たな移動体験を提供したい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名KDDI
業種通信
地域東京の飯田橋、新宿、虎ノ門の各エリアにある事業所と、社員が居住する都内の一部地域との間(相乗りタクシーの運行エリア)
課題ポストコロナ時代を見据え、3密を避けた新たな通勤スタイルを確立したい
解決の仕組みオンデマンドの相乗りタクシーを運行し、混雑する電車を避け、安全に通勤できるようにする
推進母体/体制KDDI、国際自動車、未来シェア
活用しているデータ予約時の乗降時刻と乗降場所など
採用している製品/サービス/技術相乗り配車システム(未来シェア製)
稼働時期2020年7月13日から同8月7日まで(実証実験期間)