竹中工務店、建築現場でのIoTやAI、XRの活用をNTTドコモと共同で検討へ

　竹中工務店が目指すのは、建築現場における働き方の新しいスタンダードモデルの構築。建築現場での“協働”や個人の活動にIoT（Internet of Things：モノのインターネット）やAI（人工知能）といったデジタル技術を適用することで、建築現場の生産プロセスを最適化し、継続して生産性を高められるようにする（図1）。これまでは、アナログなコミュニケーションと個人のスキルに依存していた。

図1：建築現場のデジタル変革に向けた取り組みのイメージ

　協働に向けては、従来の対面型・集合型のコミュニケーションをデジタル技術で支援する。具体策として、（1）時間と場所に制約されないフレキシブルな働き方、（2）安全に対する意識と知識を高め合う働き方、（3）リアルタイムな工程間の連携による無駄のない働き方を挙げる。

　たとえば、リアルタイムな連携による働き方では、スマートフォンを使って、工程計画や進捗、資材搬送情報などを職種が異なる現場のスタッフがリアルタイムに共有することでムダを省きたい考えだ。

　個人の活動に向けては、「デジタルアシスタント」を導入する。必要な情報に時間や場所を問わずアクセス可能にしたり、タスク管理を支援したり、さらには個人のバイタルデータや歩数、位置などから健康状態や作業効率などを本人にフィールドバックし生産性の持続的な維持・向上を支援するという。

　これらの実現に向け竹中工務店は今後、NTTドコモとワーキンググループを設け取り組む。竹中工務店が持つ建築現場に関する知見と、NTTドコモが持つIoTやAI、VR（仮想現実）／AR（拡張現実）／MR（複合現実）などのデジタル技術に関する知見を連携させる。関連技術を持つスタートアップ企業との連携も進めるとしている。