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第一生命保険、顧客ニーズに合った保険の保障プラン案をAIで作成

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年8月14日

第一生命保険が、顧客ニーズに応じた保障プラン案をAI(人工知能)で作成するシステムを2020年4月から稼働させている。過去の保障設計データを機械学習したAIが作成した保障プラン案を営業担当者に示すことで、提案力の均質化を図る。2020年7月29日に発表した。

 第一生命保険は2020年4月、保険の保障プランをAI(人工知能)で作成する「AI保障設計レコメンドシステム」を全国で稼働させた。入社間もない営業担当者の保障プラン作成をAIでサポートし、提案力の均質化を図り、顧客満足度を高めるのが目的だ。これまでにない保障設計の気づきも期待する。

 AI保障設計レコメンドシステムは、顧客の契約情報や、重視する保障、予算規模などに応じて「3大疾病等重視プラン」「死亡重視プラン」「病気・ケガ重視プラン」など3つの保障プランを自動的に作成し、営業端末に表示する(図1)。営業担当者は、AIが作成した案をベースに顧客の要望を確認し、具体的な保障プランを提案する。

図1:過去の保障設計データをAIが学習し、顧客の要望に応じた保障プランを掲示する

 AIの導入により業務効率が高まった。毎日の保障プランの作成時間が、従来の1~2時間から約30分に短縮できたという。削減できた時間は、付加価値の高いコンサルティング業務に充てる考えだ。

 AI学習モデルは、富士通のデータサイエンティストの協力を得て、独自に開発した。第一生命が過去に作成した約1700万件の保障設計データを使って、営業職の経験を定量的に評価し、ひな型となるモデルを定義したうえで、過去の成約状況から妥当性や有効性の検証サイクルを繰り返して開発した。第一生命保険は2020年7月3日に単独特許を申請している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名第一生命保険
業種金融・保険
地域東京都千代田区(本社)
課題保険商品の提案力の均質化を図るためには、新人営業職の保険提案力を高める必要がある
解決の仕組み過去の保障設計データをAIが機械学習し、顧客ニーズに応じた保障プランをAIで作成し新人に提供する
推進母体/体制第一生命保険、富士通
活用しているデータ約1700万件の過去の保障設計データ、顧客の保険契約情報や希望する保障内容
採用している製品/サービス/技術予測モデル(富士通のデータサイエンティストの協力を得て独自に開発)
稼働時期2020年4月