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近藤建設、注文住宅の顧客との関係強化を目的に入居者向けスマホアプリを導入

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年8月19日

住宅メーカーの近藤建設は、注文住宅の顧客と継続的な関係の構築を目的に、入居者向けのスマートフォン用アプリケーションの提供を2020年8月7日に開始した。顧客接点の強化を目指す。システムを提供するアイリッジが2020年8月12日に発表した。

 近藤建設が提供を始めたのは、入居者向けのスマートフォン用アプリケーション「KONDO Group オーナーズアプリ」(図1)。住宅引き渡し後のコミュニケーション手段を、これまでの季刊誌やダイレクトメールからスマホアプリに置き換えることで、入居者の満足度を高め、顧客接点を強化したい考えだ。

図1:KONDO Group オーナーズアプリの画面イメージ

 KONDO Group オーナーズアプリでは、引き渡し日から計算した定期点検の案内を計画的に自動配信するほか、修繕やリフォームなどに関する問い合わせを担当部署に直接連絡できるようにする。同社が注文住宅とは別に手掛ける事業者向け建物に入居する事業者が提供するクーポンを配信し、個人と事業者間の交流をうながす。

 そのほか、地域のイベント情報や、グループ会社が運営するWebメディア「Web be side」に掲載する生活に役立つ情報などを配信する。

 国土交通省の『平成30年度住宅市場動向調査』によれば、注文住宅領域で業者を知るきっかけは、展示会と知人の紹介が多い。ただ、入居後は紙媒体による接触がほとんどで、コストがかかる一方で効果が把握しづらい。近藤建設はスマホアプリの利用で、サービス品質の向上に加え、コスト削減や生産性の向上を期待する。

 KONDO Group オーナーズアプリは、住宅メーカー向けCRM(顧客関係管理)システム「FANSHIP for Sumai(注文住宅版)」(アイリッジ製)を自社専用にカスタマイズした。

 FANSHIPは、顧客との関係性の強さに応じて、優良顧客である“ファン”を育成するための施策を打つためのシステム。約50の金融機関などが利用するシステムを今回、住宅メーカー版を用意した。近藤建設は、FANSHIP for Sumai(注文住宅版)の第1号ユーザーである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名近藤建設
業種製造
地域埼玉県ふじみ野市(本社)
課題注文住宅オーナーとの住宅引き渡し後のコミュニケーションがアナログな手法が主流にとどまっている
解決の仕組み入居者向けスマートフォン用アプリケーションを提供し、点検や修繕/リフォームなどの機会を逃さずに継続的な顧客関係を構築する
推進母体/体制近藤建設、アイリッジ
活用しているデータ顧客情報、住宅情報、クーポン情報など
採用している製品/サービス/技術住宅メーカー向けCRMシステム「FANSHIP for Sumai(注文住宅版)」(アイリッジ製)
稼働時期2020年8月7日