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トヨタ北海道、ハイブリッド車用無段変速機の生産ラインにIoTシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2020年8月18日

トヨタ自動車北海道(トヨタ北海道)は、ハイブリッド車に搭載する駆動ユニットの生産ラインにおいて、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを2019年12月から稼働させている。設備の稼働状況の可視化・分析を進め、生産ラインの運用効率を高めている。システムを構築したIIJ(インターネットイニシアティブ)が2020年8月4日に発表した。

 トヨタ自動車北海道(トヨタ北海道)がIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムを導入しているのは、ハイブリッド車の基幹部品ハイブリッドトランスアスクル(電気式無段変速機)の生産ライン(図1)。新型「ヤリス」用に新設したラインで、制御機器のデータを収集・分析することで生産効率の向上を図る。

図1:トヨタ北海道が新型車の生産ラインに導入したIoTシステムの全体像

 同生産ラインでは、モバイル通信機能を持った産業用PCを組み込み、PLC(Programmable Logic Controller)やCNC(Computerized Numerical Control)など約370の制御機器のデータを収集。電力使用量を分電盤から分岐する設備・ライン単位で計測している。

 これらデータはクラウド上で可視化・分析し、意思決定速度の向上や生産ラインの効率化に生かす。2019年12月の稼働以降、生産量が従来の3倍になったという。

 IoTのためのモバイル通信網を利用したリモートワークも推進する。オフィスや他の工場から、産業用PCの再起動やデータの送受信制御などを遠隔で管理している。

 今後は、さらなる効率化に向けて、製品の抜き取り検査による測定結果と設備やラインの稼働情報を突き合わせ、検査異常の兆候把握と設備状態の分析を進める。データに基づく設備異常の予兆管理にも取り組む。さらに、ローカル5Gを導入し、より多くの設備やシステムを接続することも計画する。

 本システムにおけるデータ収集やリモートアクセスのためのモバイル通信ネットワーク、データ分析のためのクラウド基盤は、IIJ(インターネットイニシアティブ)が構築した。データやデバイスの管理には、データ収集ソフトウェア「WebAccess」(アドバンテック製)を日本ラッドの協力を得て利用している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名トヨタ自動車北海道
業種製造
地域北海道苫小牧市(本社)
課題生産ラインの設備の稼働状況と電力使用量のデータを収集し、生産ラインの効率化を図りたい
解決の仕組み生産ラインにIoTシステムを導入し、設備の稼働情報を収集しクラウド上で可視化・分析する
推進母体/体制トヨタ自動車北海道、IIJ(インターネットイニシアティブ)、アドバンテック、日本ラッド
活用しているデータPLCやCNC装置など、生産ラインに配備した設備の稼働情報、電力使用量
採用している製品/サービス/技術モバイル通信、クラウド(いずれもIIJが提供)、「WebAccess」(アドバンテック製)
稼働時期2019年12月