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富山県朝日町、地域住民の移動を住民がサポートするMaaSの実証実験

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年8月18日

富山県下新川郡朝日町がMaaS(Mobility as a Service)の実証実験を2020年8月3日から始めている。ドライバーは地域住民から募る。公共交通に加える、新たな移動手段を提供するのが目的だ。2020年8月6日に発表した。

 富山県下新川郡朝日町が2020年8月3日に開始した「ノッカルあさひまち」は、軽自動車(スズキ製)を使った住民の送迎サービス(図1)。利用者希望者は、町の各地区と中心街を行き来するドライバーの予定を見て、前日正午までに予約する。

図1:「ノッカルあさひまち」は、町内の各地域と中心街を移動するクルマを移動手段に利用する

 朝日町では、高齢者の運転免許返納が増え、公共交通サービスへの需要が高まっている。ノッカルあさひまちは、既存の公共交通を補う形で提供し、将来にわたって持続可能な移動手段にしたい考え。町の移動に関する課題を解決し、関係人口の創出につながる公共交通サービスを目指すという。

 ノッカルあさひまちは、同町が国土交通省の「自家用有償旅客運送」制度に即し、自家用車を活用したMaaSの開発・実用化の一環。ただ2020年9月までは役場の職員が運転し6つのコースを定時に運行する。この間に住民からドライバーを募り、2020年10月以降は住民ドライバーによる運行に切り替える予定だ。料金は、2020年12月までは無償で提供し、以後、有償サービスに切り替える計画である。

 今回の実証実験は、スズキおよび博報堂と締結した「地域の移動課題解決に向けた連携に関する協定書」に基づいている。スズキが車両を提供、博報堂はサービスやシステムの設計およびデザイン制作を担当する。協力企業として、MaaS関連ソフトウェアなどを開発するヴァル研究所と、朝日町の交通事業者である黒東自動車商会とスズキ自販富山が参画する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名富山県下新川郡朝日町
業種公共
地域富山県下新川郡朝日町
課題運転免許返納者の増加などで公共交通サービスの需要が高まるなか、持続可能な新たな交通手段を提供したい
解決の仕組み自家用車を活用したMaaSを実現する
推進母体/体制富山県朝日町、スズキ、博報堂
活用しているデータ町内を移動するドライバーの予定、予約情報など
採用している製品/サービス/技術「ノッカルあさひまち」
稼働時期2020年8月から2021年3月(実証実験の期間)