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米コンビニのサークルK、レジを無人化するAI搭載のチェックアウトシステムを導入

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年8月20日

コンビニチェーン「サークルK」は、米国店舗においてレジを無人化するチェックアウトシステムを導入する。顧客が手に取った商品をAI(人工知能)技術と産業用画像処理で認識し、クレジットカードなどで決済する。手間のかからない買い物体験を提供するのが狙い。システムを提供する米Standard Cognitionの日本法人が2020年8月12日に発表した。

 「サークルK」はカナダのAlimentation Couche-Tard(アリマンタシォン・クシュタール)が運営するコンビニチェーン(写真1)。世界中で約1万4500店舗を展開している。今回、米アリゾナ州にあるサークルKの店舗に、レジを無人化したチェックアウトシステムを導入する。顧客が持つ優先課題として取り組む“手間のかからない買い物体験”を提供したい考えだ。

写真1:サークルKの店舗の例

 新システムは、独自のAI(人工知能)技術と産業用画像処理機能を備える。天井に設置したカメラで顧客が手に取った商品を認識し、顧客はスマホアプリやクレジットカードなどによるキャッシュレスで決済する。顧客は、商品をスキャンしたりレジに並んだりする必要がなくなる。従来通りレジで決済することもできる。

 既存の棚にセンサーを設置したり、生体認証を使用したりせずに、買い物客と商品を正確に関連付けられるため、店舗の大幅改修などを必要せずに導入できるという。米サークルKは、既存システムと無人レジシステムを統合し、店舗のレイアウトや設備、照明、在庫管理、補充プロセスなどとの連携も図り、業務効率化に生かす考えだ。

 採用理由について、Alimentation Couche-Tardのグローバル・デジタル・イノベーション部門の責任者であるマグナス・タグストローム氏は、「レジなしチェックアウトは、顧客の日常生活を少しでも楽にするために必要なイノベーションであり、優先課題の1つだ。既存のシステムと統合でき、かつ既存の店舗に導入できるため、導入時に商品を移動させたり、棚を入れ替えたり、新しい店舗を建設する必要がない点が魅力的だ」と説明する。

 無人レジシステムには、米Standard Cognitionのシステムを採用した。既存のコンビニ店舗に導入されるのは、今回が世界初だという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名カナダ・Alimentation Couche-Tard(サークルK)
業種流通・小売り
地域米アリゾナ州
課題買い物客が従来よりも手間なく買い物できるレジの無人化を、既存店舗を大幅に改修することなく実現したい
解決の仕組みコンビニ店舗の天井に設置したカメラが顧客の手に取った商品を読み取り、レジを使わずにキャッシュレスで決済する
推進母体/体制Alimentation Couche-Tard、Standard Cognition
活用しているデータAI、カメラの撮影映像、商品データなど
採用している製品/サービス/技術レジの無人化システム(米Standard Cognition製)
稼働時期2020年8月11日(米国での導入発表日)