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日本製鉄、製造現場へのローカル5G導入に向け4Gの自営網を構築

DIGITAL X 編集部
2020年8月21日

日本製鉄は、製鉄所のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けてローカル5Gを導入するに当たり、まずは4Gでの自営通信網を構築する。日鉄ソリューションズ(NSSOL)と共同で、自営通信網の適用を検証する。2020年8月12日に発表した。

 日本製鉄が製鉄所のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する。そのための通信インフラとしてローカル5Gを考える。ただローカル5Gは現状、4Gのコアネットワークを“アンカー”として利用するのが前提だ。そこで、ローカル5Gの迅速な導入にそなえ、まずはアンカーとなる4Gの自営無線網を構築し、製鉄所への適用を検証する。

 適用検証の第一段階として、北海道の日本製鉄室蘭製鉄所の構内に特定地域で利用するための通信システム「自営等BWA(Broadband Wireless Access)」(の4Gベース)の基地局を設置。構内を走行するディーゼル機関車の遠隔運転の実現を目指す(図1)。

図1:日本製鉄室蘭製鉄所における4G自営無線網の適用検証イメージ

 具体的には、ディーゼル機関車に高精細4Kカメラを搭載し、同4Kカメラで撮影した映像を伝送・分析する。遠隔運転に必要な技術要件および4Gベースの技術限界を確認する。加えて、ディーゼル機関車に高精度測位(RTK測位)を搭載し、車両表示位置の精度を高める。表示位置の見える化には、作業者の安全確保用に導入している「安全見守りくん」(NSSOL製)を拡張して対応する。

 並行して構内全域で無線基地局からの電波の伝搬状況を調査する。高い建造物が多い製鉄所特有の電波に伝わり方と伝送速度を把握し、製造現場における複数の自営無線網のニーズに対する適用を検討する。

 適用検証の第2段階として、ローカル5Gを適用する計画だ。高速・大容量、低遅延、多数端末接続という5Gの特徴を生かし、遠隔運転に向けた伝送技術の確立や工場のデジタルツイン化、スマートファクトリー化を推進し、製造現場におけるDXを実現する考えだ。

 今後は、室蘭製鉄所で得た成果に基づいて、他の製鉄所への展開や日本製鉄グループ各社の製造現場への提供も検討していく。

 検証は、日鉄ソリューションズ(NSSOL)と共同で実施する。NSSOLは、2020年8月7日に総務省から自営等BWAの免許を取得した。今回の4Gの自営通信網の構築に際しては、NSSOLが無線エリアの設計や免許申請支援、システム構築と運用・保守などを担当した。無線設備はフィンランドのノキア製の製品を採用した。

 検証の第2段階で導入するローカル5G周波数帯の免許申請は、2020年末頃を予定している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本製鉄
業種製造
地域北海道室蘭市(日本製鉄室蘭製鉄所)
課題ローカル5G導入を前提に、作業現場での自営無線網の適用検証を進め、製造現場におけるDXを迅速に進めたい
解決の仕組み4Gの自営通信網を製鉄所に構築して適用検証を実施し、無線基地局の電波伝搬状況や自営無線網のニーズを検証する
推進母体/体制日本製鉄、日鉄ソリューションズ、フィンランドのノキア
活用しているデータ製鉄所構内を走行するディーゼル機関車の位置情報や速度情報、機関車に搭載したカメラが撮影した映像など遠隔運転に必要な情報
採用している製品/サービス/技術自営等BWA(Broadband Wireless Access)、4Kカメラ、高精度測位(RTK測位)、安全見守りくん(NSSOL製)、無線設備(ノキア製)
稼働時期2020年8月7日