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三井物産流通H、サプライチェーンのDXを目的にブロックチェーン技術とIoT技術を実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年8月21日

三井物産流通ホールディングス(MRH)は、サプライチェーンのデジタルトランスフォーメーション(DX)を目的にブロックチェーン技術とIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術の実証実験を2020年秋に開始する。実験に共同で生取り組むNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が2020年8月17日に発表した。

 三井物産ホールディングス(MRH)は、小売り・外食事業者向けの食品・日用品雑貨の中間流通機能を担う事業会社4社を総合的に管理するために、三井物産が2020年6月に設立した会社。流通分野における需給管理ノウハウを活用したブロックチェーン技術を流通業界に適用するための研究を担うほか、新たなサービスの提供に向けたビジネスモデルの構築や、具体的な機能開発を計画する。

 今回、商品や物の流れを管理する「サプライチェーンチェーン情報基盤」を構築し、RFIDなどのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の情報と組み合わせた情報活用に向けた実証実験を開始する。ブロックチェーンの基盤ソフトウェア「Ethereum」(イーサリアムコミュニティ製)をベースに、NTT研究所が開発したトークン追跡効率化技術を適用することで、追跡処理時間の高速化を図る。

図1:三井物産流通ホールディングス(MRH)はサプライチェーンチェーンのデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む

 実験は、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と共同で実施する。サプライチェーン情報基盤に、NTT Comが推進する企業間取引のための「コネクティッドバリューチェーンを実現する基盤」を連携させ、請求データのデジタル化と一覧化を可能にする。

 両者は今回の実験に向け、「ブロックチェーンおよびIoT技術等の活用によるサプライチェーンDXに関する共同実験協定書」を2020年7月に締結している。MRHがビジネス領域でITベンダーと共同で実証実験をするのは今回が初めて。NTT Comにとってもサプライチェーンチェーン領域にブロックチェーン技術を適用するのは、これが初めてとしている。

 これに先立ち、三井物産グループとNTTグループは2019年から「リアルタイムデータを活用したフードロス削減」をテーマに共同で実証実験に取り組んできた。実験を進める中で、ブロックチェーン技術とNTTが持つ特許技術を組み合わせれば、サプライチェーン領域での課題解決に目途が立ったことから、今回の実証実験の推進に合意したという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三井物産流通ホールディングス(MRH)
業種流通・小売り
地域東京都港区(本社)
課題三井物産グループが持つさまざまなサプライチェーン領域における新たなニーズを発見するとともに、グループ会社のほかサプライヤー、ベンダーなどがサプライチェーン領域で抱えている課題を解決したい
解決の仕組みブロックチェーンおよびIoT技術を活用してサプライチェーンを変革する情報基盤を構築し、課題を解決するとともに、新たなビジネスモデルを創造する
推進母体/体制三井物産流通ホールディングス、NTTコミュニケーションズ
活用しているデータ商品や物の流れに関する情報および請求などの企業間取引データ
採用している製品/サービス/技術ブロックチェーン技術「Ethereum」(イーサリアムコミュニティ製)、トークン追跡化技術(NTT研究所製)、企業間データプラットフォーム(NTT Com製)
稼働時期2020年秋(共同実証実験の開始予定時期)