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工場設備機器のサカエ、成約率を高めるために受注確度をAIで予測

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2020年8月21日

工場設備機器を販売するサカエは、営業案件の成約率を高めるために確度の高い案件をAI(人工知能)で予測するシステムを2020年3月から導入している。成約の予測率は80%に達するという。システムを提供するマツリカが2020年8月17日に発表した。

 サカエは工場設備機器の販売会社。成約率の高い案件を予測・掲示する「Senses Insight」(マツリカ製)を2020年3月から運用している(図1)。コロナ禍で対面での商談や面談が制限されるなか、オンラインでの営業活動により商談数を維持しているが、成約率の予測により商談内容の品質を高めたい考えだ。

図1:Senses Insightの画面イメージ

 導入したSenses Insightは、成約確率の予測のほか、過去の事例を元にした類似案件の掲示や、受注につなげるための営業アクションのアドバイスなども掲示する。営業データを学習することで、より精度の高い案件の見極めや、営業上のリスク要因の分析が可能になるとしている。

 サカエの取締役 営業部長の平岩 正彦 氏は、Senses Insightの導入によって「一目で商談の現在位置を認識できるほか、類似案件のデータが即時にわかるため、いままで営業メンバー個々人の感覚で考えていた営業戦略を、データに基づき客観的に計画していけるようになった」と話す。

 Senses Insightは、クラウド営業支援ツール「Senses」(マツリカ製)の新機能。Sensesに蓄積された営業データをAIが分析し、案件ごとに受注確率や営業のリスクを提示する。サカエはSensesを2018年から利用し、案件管理ツールへの情報入力負荷の削減や、データに基づいた営業活動に取り組んでいた。Senses Insightは先行ユーザーとして導入した。

 Senses Insightの一般提供は、2020年8月18日から。月額10万円のGrowthプラン以上で利用できる。マツリカは、オンラインによる営業であっても、営業データを活用したロジカルかつ持続的な営業戦略の構築やコミュニケーションが実現できるとする。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名サカエ
業種製造
地域静岡県浜松市(本社)
課題新型コロナウイルス感染症により対面営業が制限されるなかで、商談数を維持するとともに、商談の質を向上させたい
解決の仕組み成約率の高い案件をAIで予測・掲示するシステムを導入し、営業活動を分析し営業戦略に生かす
推進母体/体制サカエ、マツリカ
活用しているデータ営業案件のデータ
採用している製品/サービス/技術「Senses」および「Senses Insight」(いずれもマツリカ製)
稼働時期2018年(Sensesの導入時期)、2020年3月(Senses Insightの導入時期)