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島忠、店頭での情報共有のためのPHSやインカムをクラウドサービスに全店で切り替え

DIGITAL X 編集部
2020年8月28日

家具・ホームセンターの島忠は、店頭でスタッフが情報共有のために使っているPHSやインカムをクラウドベースのサービスに切り替え、スマートフォンに集約できるようにする。2018年11月から一部で導入してきた仕組みを2020年8月に全店舗に配備した。サービスを提供するサイエンスアーツが2020年8月25日に発表した。

 家具専門店の「島忠」やホームセンターの「HOME’s」などを展開する島忠が全店に導入したのは、インカムやPHSなどの機能をクラウドベースで提供するサービス。従業員が持つスマートフォンに専用アプリをインストールして利用する。従業員間の情報共有を効率化するとともに、会話データを記録・分析することで接客に生かした考えだ。

 これまで、インカムを導入していない売場や店舗では、従業員に周知するために内線用のPHSを使って個別に連絡することになり、情報共有に時間がかかっていた。インカムは故障が多く、雑音が入ることも課題だったという。

 2018年11月からクラウド型サービスを一部店舗で導入してきた。そこでは、従業員間で情報を共有するのにかかる時間が短縮できた。PHSやインカムなど複数のツールをスマートフォンに集約でき、従業員の負担も軽減できたとする。クラウドベースのため、店舗だけでなく、商品を配達中の従業員とのコミュニケーションもスムースになった。

 今後は、店舗に設置している従業員呼び出しボタンの機能も、同サービスに置き換えることを検討している。顧客からの呼び出しが多い売場や時間帯などをデータとして記録し、顧客対応の向上へつなげる計画だ。

 採用したのは、サイエンスアーツが提供する「Buddycom」。島忠は、業務に使用する機能をスマートフォン1台にまとめられることと、音質、使いやすさを軸に選定したとしている。

 Buddycomの利用料は、初期費用が無料で、1人当たり基本利用料は年払いの場合で基本プランが月額600円、音声テキスト化プランが月額800円。ほかに翻訳プラン(1000円)、動画配信プラン(1100円)もある。スマートフォンおよび通信環境は島忠が用意する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名島忠
業種流通・小売り
地域埼玉県さいたま市(本社)
課題店舗での従業員の情報共有に、インカムと内線用PHSを利用してきたが、周知に時間がかるうえ、複数機材を持ち歩くことが従業員の負担になっていた
解決の仕組みコミュニケーション機能を提供するクラウドサービスにより情報をスマホアプリに集約する
推進母体/体制島忠、サイエンスアーツ
活用しているデータ従業員および顧客との通話データなど
採用している製品/サービス/技術コミュニケーションのクラウドサービス「Buddycom」(サイエンスアーツ製)
稼働時期2018年11月(導入開始時期)、2020年8月(全店舗への導入完了時期)