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化粧品のオルビス、通販向け出荷ラインに自動搬送ロボットを330台導入
ポーラ・オルビスグループで化粧品やスキンケア商品の製造・販売を手がけるオルビスは、新設の通販向け出荷ラインに小型AGV(自動搬送ロボット)を330台の導入し、2020年8月25日に稼働させた。物流業務の自動化を進め、コロナ禍で拡大するであろうEC事業への対応力を高めたい考えだ。同日に発表した。
化粧品のオルビスが、330台の小型AGV(自動搬送ロボット)を導入したのは、同社の通販事業の主要拠点である東日本流通センター。通販向け出荷ラインの刷新に伴い、1オーダー1台の小型AGVを割り当てピッキングから検査・梱包までの一連の作業を自動化した(図1)。従来と比べ、出荷能力は1.3倍に増強するのに対し、人員数は27%、オーダー1件あたりの作業コストは18%、消費電力は40%、それぞれ削減できるとしている。
オルビスでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でEC市場の成長が加速している。一方で物流施設のオペレーションは複雑化している。そこで、物流システムの自動化・省人化を進めることで、物流現場の負担を軽減するとともに、EC事業の物流基盤を強化していく。
今回の出荷システムの刷新に伴い、ポーラ・オルビスグループのDECENCIAの通販事業における出荷作業も2020年9月14日から統合する計画だ。
新システムの名称は「T-Carry System」。AI(人工知能)技術を搭載する制御システムが330台のAGVに指示を出し、ピッキングから検査、梱包までに最適なルートを走行させる。
T-Carry Systemは、物流パートナーである流通サービスと、マテリアルハンドリング企業の椿本チエインとで共同開発した。AGVは、中国Xhejiang LiBiao Robot製のロボットを採用し、ロボットサービスプロバイダーのプラスオートメーションが一部を改良し導入した。
また従来は手作業だった封函および方面別仕分けについても、自動封函機と自動方面別仕分け機を使い自動化している。9種ある配送箱のサイズを自動判別して仕分けする。
企業/組織名 | オルビス |
業種 | 流通・小売り |
地域 | 埼玉県加須市(オルビス東日本流通センター) |
課題 | EC事業が拡大するなかで商品出荷のためのオペレーションが複雑化している |
解決の仕組み | 小型のAGV(自動搬送ロボット)などを導入し、集荷から方面別仕分けまでを自動化する |
推進母体/体制 | オルビス、流通サービス、椿本チエイン、中国Zhejiang LiBiao Robot、プラスオートメーション |
活用しているデータ | 通販事業における受注情報や、出荷センターにおける各商品の保管情報、出荷ラインの構成情報など |
採用している製品/サービス/技術 | 「T-Carry System」(流通サービス、椿本チェインと共同で開発)、AGV(中国Zhejiang LiBiao Robot製を一部改良)、AI技術 |
稼働時期 | 2020年8月25日(東日本流通センターでの稼働時期) |