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ファミリーマートが遠隔操作ロボットを試験運用、まずは商品検品・陳列業務から
ファミリーマートが、コンビニ店舗の省人化に向けて、遠隔操作ロボットの試験運用を開始した。実用性を検証し、本格導入を検討する。2020年8月26日に発表した。
ファミリーマートが導入するのは、VR(仮想現実)端末を介して遠隔地から操縦するロボット。顧客の利便性を維持・向上しながらも店舗での従業員のオペレーション負荷を軽減し、新しい店舗運営のあり方を模索するのが目的だ(図1)。2022年までに最大20店舗への導入を目指す。多店舗展開が可能な業務については全店を対象に順次導入する考えだ。
試験運用は、東京都豊島区の「ファミリーマートとしまエコミューゼタウン店」で実施する。まずは、店舗オペレーションでも工数が大きい商品検品・陳列業務に適用し、店舗の省人化や、店舗の立地に制約されずに遠隔操作拠点でのスタッフ採用の可能性を検証する。
具体的には、店舗バックヤードの飲料売場において、遠隔操作ロボットを使ってペットボトル飲料を陳列する。ロボットによる陳列の速度と精度を検証し本格運用につなげる。今後は、おにぎりやサンドイッチ、弁当など、他の商品の陳列にも適用する計画だ。
導入する遠隔操作ロボは、ロボットベンチャーTelexistenceが開発する「Model-T」。ロボット操作用のプラットフォーム「Augmented Workforce Platform(AWP:拡張労働基盤)」を介し、Telexistenceの虎ノ門オフィスからVR端末を使ってロボットを遠隔操作する。AWPは、米マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」上で動作している。
ファミリーマートとTelexistenceは2020年7月に、遠隔操作ロボット技術を核にした店舗運営システムの構築に関する協業を発表していた。
企業/組織名 | ファミリーマート |
業種 | 流通・小売り |
地域 | 東京都豊島区(ファミリーマートとしまエコミューゼタウン店)、東京都港区(遠隔操作拠点、Telexistenceの虎ノ門オフィス) |
課題 | 労働人口の減少に伴うスタッフの採用難などを踏まえ、店舗のオペレーション負荷を軽減するなど、新しい店舗運営のあり方が必要になってきた |
解決の仕組み | 遠隔地から店舗のロボットを操作することで、1人のスタッフが複数店舗の作業を行うことで、省人化と店舗の立地に制約されないスタッフ採用を可能にする |
推進母体/体制 | ファミリーマート、Telexistence |
活用しているデータ | 店舗内の商品棚や陳列する商品の映像 |
採用している製品/サービス/技術 | 遠隔操作ロボット「Model-T」と「Augmented Workforce Platform(AWR:拡張労働基盤)」(いずれもTelexistence製)、VR端末 |
稼働時期 | 2020年8月26日(としまエコミューゼタウン店での実証開始日) |