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JAL、待ち時間を感じさせない旅行体験に向けた映像分析と生体認証を実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年9月14日

日本航空(JAL)は、顧客に待ち時間を感じさせない“ストレスフリー”な旅行体験を提供に向けた実証実験を開始した。映像分析や生体認証などの技術を使い、記念撮影やキャッシュレス決済などのサービスを提供する。2020年9月4日に発表した。

 日本航空(JAL)が開始したのは、顧客に待ち時間を感じさせない旅行体験の提供を目的とした実証実験。和歌山県の南紀白浜空港で実施されている「IoTおもてなしサービス実証」に2020年9月から参画し、映像分析や生体認証などの技術を利用したサービスを提供する。対象となるのは、IoTおもてなしサービス実証に登録した利用者である。

 3種のサービスの実験を計画する。第1弾として「笑顔写真撮影サイネージ」を南紀白浜空港の搭乗待合室に2020年9月4日から設置している(図1)。顧客はディスプレイの前に立つと記念撮影を楽しめる。笑顔の点数に応じて変化するオリジナルのフォトフレームで撮影できる。IoTおもてなしサービス実証に登録していれば、登録したメールアドレスで写真データを受け取れる。

図1:顔認証技術を利用した笑顔写真撮影サイネージ

 第2弾は、手荷物返却までの待ち時間を案内するサイネージを南紀白浜空港に設置する(図2)。2020年10月末から実施する。液晶ディスプレイのカメラが顧客を認証し、IoTおもてなしサービス実証に登録されている「JALマイレージバンク会員」のステータス情報に基づいて、手荷物の返却開始予定時刻をアニメーションで案内する。顧客が返却までの時間を有効利用できるようにする。

図2:カメラが顧客を認識し、手荷物返却までの待ち時間を掲示する

 実証実験の第3弾としては、羽田空港において2020年10月末から南紀白浜地区で実施している顔認証によるキャッシュレス決済を導入する。IoTおもてなしサービス実証に登録した決済情報をもとに、顧客はJALUXエアポートが運営する空港店舗「BLUE SKY」の22番ゲートショップで顔認証決済による買い物ができる。羽田空港で顔認証決済を導入するのは、これが初めてになるという。

 南紀白浜空港での実証実験はこれまで、空港運営会社の南紀白浜エアポートなどがNECと共同で取り組んできた。JALもNECと共同で、今後も技術の検証を進め、安全・安心な旅行体験の実現を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本航空
業種交通
地域東京都品川区(本社)
課題待ち時間を感じさせないストレスフリーな旅行体験を顧客に提供したい
解決の仕組み映像分析や生体認証などの技術を導入し、会員登録情報と連携して個人を認証し、手荷物の受け取りや買い物の待ち時間を削減する
推進母体/体制日本航空、NEC、南紀白浜エアポート、JALUXエアポート
活用しているデータIoTおもてなしサービス実証の登録情報、カメラの撮影画像、顧客が登録した決済情報
採用している製品/サービス/技術映像分析技術、顔認証技術
稼働時期2020年9月4日