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東北電力ネットワーク、変電所の異常をLiDARで検知するシステムを実地検証
東北電力ネットワークは、変電所の異常をレーザー光を使うLiDAR(Light Detection And Ranging)で検知するシステムの実地検証を2020年10月から2022年3月にかけて実施する。変電所の巡視業務の効率化を図るのが狙い。2020年9月7日に発表した。
東北電力ネットワークは、変電所の設備の外観をレーザー光を使うLiDAR(Light Detection And Ranging)によって可視化・分析し、異常を検知するシステムの検証を実施する(図1)。宮城県内の変電所を対象に2020年10月から2022年3月末までを予定する。人手による設備点検業務の効率化および人材不足の解消を図る。
LiDARは、レーザーなどの光を対象物に照射し、対象物の位置や形状、輝度を測定する技術。今回の検証では、変電所に設置したLiDARからレーザーを定期的に照射し、反射光によって物体の点群データおよび強度を示す輝度を測定する。点群データから得た位置・形状や輝度から得た表面状態を巡視点検システムが解析し、外観の異常を検知する。
2019年8月に、福島県南相馬市の東北電力ネットワーク総合研修センターでLiDARの効果を検証したところ、20m以内に設置した営巣、漏油、がいし破損などの模擬異常を、遠隔からすべて検知できたという。
LiDARを利用した異常検知は、異常値に関するデータの学習・蓄積がなくても検知できるのが特徴という。異常値のデータ収集が困難な設備を対象とする巡視点検の代替手段として期待されている。
東北電力ネットワークは、今回の検証を通じて、変電所構内の巡視業務の効率化を目指すとともに、設備状態把握の高度化による異常の早期発見に巡視点検システムを導入することを検討するという。
巡視点検システムは、LiDARを元にNECが開発した異常検知分析エンジンを搭載している。NECは異常検知エンジンの改良を進め、2020年度中に販売を目指す。
企業/組織名 | 東北電力ネットワーク |
業種 | 公共 |
地域 | 仙台市(本社) |
課題 | 人手による変電所構内の点検業務の効率化を図りたい |
解決の仕組み | リモートセンシング技術の1つであるLiDAR(Light Detection And Ranging)を利用した巡視点検システムを使って、変電所構内の異常を遠隔から検知する |
推進母体/体制 | 東北電力ネットワーク、NEC |
活用しているデータ | レーザー光の照射によって得られる物体の点群データおよび輝度、過去の設備のデータ |
採用している製品/サービス/技術 | LiDARを利用した異常検知分析エンジン(NEC製) |
稼働時期 | 2020年10月から2022年3月末(フィールド検証の期間) |