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静岡県、豪雨災害に備え冠水センサーを搭載した車止めを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年9月16日

静岡県は2020年9月から、台風や大雨などの災害に備え、車止めにセンサーを設置し冠水を検知する実証実験を始めている。検知した冠水の情報を主要道路の管理に利用する考え。車止めを開発したサンポールなどが2020年9月8日に発表した。

 静岡県が取り組むのは、車止めに冠水センサーを搭載することで浸水被害を検知するための実証実験(図1)。台風や大雨の際に冠水状況をいち早く把握し、主要道路のパトロールや通行規制準備など、初動対応におけるリードタイムの確保への有効性を検証する。

図1:冠水センサーを搭載した車止めの構造

 センサー機能を持つ車止めは、あらかじめ設定した水位に達すると冠水を検知。非常灯を点灯させ通行者や運転者が近づかないよう危険を知らせるとともに、道路管理者や関係機関に冠水情報をメールで通知する。そのために水位センサーとLTE-M(Long Term Evolution for machine-type-communication)の通信アンテナを内蔵し、太陽電池で稼働する。

 実証実験では、静岡県田方郡函南町の国道136号および伊豆の国市に、冠水センサーを搭載した車止めを2基ずつ、合計4基を設置する。2020年9月から1年間検証する予定で、運用開始に当たっては、車止めの機能やメール通知機能を確認する防災訓練を9月1日に実施した。

 静岡県では、2019年10月の台風19号によって県内全域で大きな被害が発生した。県東部では主要道路の冠水による通行止めや家屋の浸水被害が多く発生している。

 冠水センサーを搭載した車止めは、サンポール、ユアサ商事、応用地質の3社が開発し、提供した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名静岡県
業種公共
地域静岡県田方郡函南町および伊豆の国市(センサーの設置場所)
課題台風や大雨に見舞われた際に冠水状況を早期に把握し、初動対応のリードタイムを確保したい
解決の仕組み冠水センサーと通信機能を内蔵した車止めを道路に設置し、あらかじめ設定した水位を超える冠水が生じると道路管理者にメールで知らせる
推進母体/体制静岡県、サンポール、ユアサ商事、応用地質
活用しているデータ道路の冠水情報
採用している製品/サービス/技術冠水センサー、LTE-M
稼働時期2020年9月~2021年9月