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浜松市の佐久間町、EVタクシーを使う地域MaaSを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年9月15日

静岡県浜松市天竜地区の佐久間町は、再生エネルギーを利用したEV(電気自動車)による地域MaaS(Mobility as a Service)の実証実験を2020年9月16日から開始する。公共交通や民間タクシーを補完する移動手段として提供する考え。事業に参画するTISが2020年9月7日に発表した。

 静岡県浜松市の佐久間町が実施するのは、EV(電気自動車)タクシーを使ったMaaS(Mobility as a Service)の実証実験(図1)。高齢化・過疎化が進む地域において、公共交通や民間タクシーを補完する移動手段として提供する考え。電力には町内に設置した太陽光パネルのエネルギーを使い、再生可能エネルギーの地産地消を目指す。

図1:EVタクシーを利用したMaaSの実証実験のイメージ

 佐久間町は、浜松市内でも特に高齢化と過疎化が進行している。不採算性から公共交通事業者や民間タクシー事業者の撤退が相次ぎ、2007年からは、公共交通空白地有償運送事業(NPOタクシー)を運営していたが、採算性の悪化や人材不足により、地域交通の利便性向上と運営の効率化が課題だったという。

 今回の実証実験は「浜松佐久間MaaS推進協議会」が実施する。佐久間町のNPO法人がんばらまいか佐久間、浜松市、浜松新電力、TISが参加している。期間は、2020年9月16日から12月18日までだ。

 EVタクシーは、オンデマンドおよび前日乗車予約によって運行する。オンデマンド配車システムには、TISが北海道厚沢部町で2019年8月に実施した、過疎地での交通・エネルギー問題を解決する実証実験「ISOU PROJECT」で使ったMaaSプラットフォームを改良して利用する。

 オンデマンド/予約の受付には、CTI(コンピューター音声統合)の仕組みを使い、高齢者も使いやすくする。音声ガイダンスの利用が困難な難聴者には、タブレット端末の操作でタクシーを呼び出せる「浜松佐久間MaaSかんたんアプリ(仮称)」を開発し、順次提供する予定だ。タクシーの呼び出しから予約、配車までををシステム化することでオペレーターの対応コストを削減する。

 浜松市佐久間MaaS推進協議会は今後、、TISが提供するMaaSプラットフォームを顧客交通空白地有償運送事業に導入することで、地域交通の利便性向上と運営の効率化を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名浜松佐久間MaaS推進協議会
業種公共
地域静岡県浜松市天竜区佐久間町
課題高齢化・過疎化が進む地域において、公共交通や民間タクシーを補完する移動手段を提供したい
解決の仕組みEV(電気自動車)タクシーを導入。その呼び出し、受付、配車を受け付けるシステムの自動化を図り、利便性を高めるとともに運営コストを削減する。EVの電力は太陽光発電で賄う
推進母体/体制浜松佐久間MaaS推進協議会(NPO法人がんばらまいか佐久間、浜松市、浜松新電力、TIS)
活用しているデータタクシー利用者の氏名や住所、利用予約日時など
採用している製品/サービス/技術CTI(コンピューター電話統合)技術による自動音声応答によるオンデマンド配車システム(TIS製)
稼働時期2020年9月16日~2020年12月18日