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新潟県ら、「おけさ柿」の栽培をスマートグラスと5Gを使って遠隔指導する実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年9月17日

新潟県らは、佐渡島の特産である「おけさ柿」の栽培を熟練者がスマートグラスを利用して遠隔から指導する実証実験を2020年9月8日に開始した。農業の省力化と農業技術の早期取得を支援することで後継者不足を解消するのが狙い。スマートグラスを提供するNTTドコモが同日に発表した。

 「おけさ柿」は、新潟県佐渡島の特産品。今回、おけさ柿を栽培する農業従事者の作業を、スマートグラスを使って遠隔地から支援する実証実験に取り組む(図1)。技術指導員がスマートグラスのカメラで撮影した映像を見ながら、音声で栽培技術を指導する。5G回線でつなぐ作業者のスマートグラスには作業手順を表示し、作業時間の短縮も図る。

図1:スマートグラスを使った遠隔支援のイメージ

 その一環で、剪定作業のための動画マニュアルも制作する。熟練者の動作を3Dカメラで撮影し、VR(仮想現実)ゴーグルで閲覧できるようにする。非熟練者が早期に農業技術が習得できる仕組みを構築するのが目的だ。

 佐渡島では、高齢化により農業の担い手が減少。臨時の農業従事者や新規参入者に栽培技術を伝えることが重要な課題だ。今回の実験は「さどおけさ柿スマート農業実証コンソーシアム」が、JAファーム佐渡の圃場において2020年9月8日から2022年3月にかけて実施する。コンソーシアムには、新潟県の農林水産部や農業総合研究所、JAファーム佐渡、NTTドコモなど12組織がメンバーになっている。

 実験の仕組みとして、スマートグラスにはカメラやマイク、スピーカーを内蔵する「AceReal One」(サン電子製)を、通信回線にはNTTドコモの5G(第5世代移動通信システム)を採用した。動画は、農業の栽培技術に特化した動画制作会社AGLI SMILEが担当する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名さどおけさ柿スマート農業実証コンソーシアム
業種農林水産
地域新潟県佐渡島
課題高齢化により農業の担い手が減少しており、経験の浅い農業技術者が早期に農業技術を習得できるようにしたい
解決の仕組みスマートグラスを利用して熟練者が遠隔から経験の浅い農業技術者を指導する。熟練者の作業を3D動画マニュアルとして作成し、技術習得を容易にする
推進母体/体制新潟県、さどおけさ柿スマート農業実証コンソーシアム(新潟県の農林水産部や農業総合研究所、JAファーム佐渡、NTTドコモ、サン電子、AGLI SMILEなど12組織が参加)
活用しているデータスマートグラスのカメラが撮影する映像、3Dカメラの撮影映像
採用している製品/サービス/技術スマートグラス「AceReal One」(サン電子製)、5G(NTTドコモ)、3D動画、VRゴーグル
稼働時期2020年9月8日からから2022年3月(実証実験の期間)