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大黒倉庫、倉庫での作業員の安全管理にウェアラブル端末を使う仕組みを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年9月23日

大黒倉庫は、物流倉庫における作業員の転倒や熱中症リスクなどをウェアラブル端末によって検知する実証実験を開始した。安全管理を徹底することで職場環境を改善し、サービスの品質の向上につなげるのが狙い。システムを提供するNTT東日本が2020年9月7日に発表した。

 大黒倉庫は、鋼材など重量物の扱いに強みに神奈川県を中心に物流事業を手掛ける企業。今回、物流倉庫内で働く作業員の安全を管理するためにウェアラブル端末を利用する仕組みの実証実験を開始した(図1)。職場での作業員の安全管理を徹底することで、業務の生産性とサービス品質を高めたい考えだ。

図1:実証実験の概要イメージ

 実験は、横浜市にある鶴見物流センターで2020年9月7日から10月9日まで実施する。鶴見物流センターは海に隣接した港湾エリアにある倉庫。同様の立地にある倉庫は大きく、作業員が広範囲をカバーする必要があるため、安全管理への注意が必要になる。夏場は屋内でも熱中症リスクが高まるため、万が一の際には早期に発見できる体制が求められる。

 そのため今回は、作業員がウェアラブル端末を装着する一方、倉庫内に温湿度センサーを設置し、作業員の転倒・転落のほか、暑さ指数(WBGT値)や心拍数の変化を見守る。異常を発見した際は、アラートを管理者に通知する。管理者は、クラウド上の管理画面でアラート濃霧や作業員のバイタルデータを確認できる。

 実証実験では、(1)転倒・転落の検知感度の正確性、(2)熱中症リスクアラートの通知タイミングの正確性、(3)クラウド管理画面で熱中症リスクアラートやバイタルデータを取得できているか、などの機能を検証・確認する。

 ウェアラブル端末や温湿度センサー、ネットワークやアラート通知など各種のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連機器/サービスは、NTT東日本の神奈川事業部が提供する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大黒倉庫
業種物流
地域神奈川県横浜市(大黒倉庫の鶴見物流センター)
課題生産性やサービス品質を高めるために、大型倉庫などで働く作業員の職場環境の改善し安全性を確保したい
解決の仕組み作業員が装着するウェアラブル端末と倉庫に設置した温湿度センサーにより、バイタルデータや熱中症リスクを検知し、異常時には早期に対応する
推進母体/体制大黒倉庫、NTT東日本神奈川支社
活用しているデータ作業員のバイタルデータ、倉庫内の温湿度
採用している製品/サービス/技術ウェアラブル端末および温湿度センサーを活用したIoTサービス(NTT東日本製)
稼働時期2020年9月7日から10月9日(実証実験期間)