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イオンモール、来店客を案内するAIインフォメーションの管理システムを刷新

DIGITAL X 編集部
2020年9月29日

イオンモールは、来店客と音声でやり取りできる案内システム「AIインフォメーション」の運用管理システムを刷新した。AI(人工知能)の精度向上を容易にするのが目的だ。新しい管理システムを提供したタケロボが2020年9月14日に発表した。

 イオンモールでは、来店客が音声で質問するとAI(人工知能)が回答や案内を返す「AIインフォメーション」の導入を進めている。ただ従来の運用管理システムでは、AIの初期登録や認識精度などを高めるため手順が難しく、導入をあきらめたり実証実験だけで終えてしまったりするケースが多かった。

 そこで運用管理システムを刷新(図1)。まずは、イオンモール幕張新都心とイオンモール成田で稼働を開始した。

図1:AIインフォメーションと新管理システムの全体イメージ

 新管理システムでは、Excelで作成したモールのテナント一覧や施設一覧をアップロードすると、既に登録されているAIデータ集を元に、AIインフォメーションシステムを新たに導入するモールのためのAIを自動で生成する。

 モールのマップを登録すれば、案内する対象の店舗と現在地をマップ上に表示する機能も用意した。マップ機能により、テナントの入退店時にはマップ自体を変更しなくても位置を表示できる。

 AIの精度向上に向けては、AIインフォメーションの利用データから、AIが未回答だったり誤回答したケースを抽出し、それらを追加登録することでAIを導入しているモールに適するように学習させられる。同機能により、流行に関する質問やテナントの入退店などへの対応も容易になるという。

 新管理システムでは、AIインフォメーションの利用データログや質問数ランキング、利用状況推移などを集計できるため、来店客の声の把握にも有効だとしている。

 新管理システムは、AIエンジニア向けの専用管理システムを、AI/ロボットを開発するタケロボが、モールの担当者でも簡単に扱えるように改造した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名イオンモール
業種流通・小売り
地域千葉市(イオンモール幕張新都心)、千葉県成田市(イオンモール成田)
課題音声で案内する「AIインフォメーション」のAI(人工知能)の運用が難しく、モールの担当者では扱いきれず導入が進まない
解決の仕組みAIエンジニア向け専用管理システムを改造し、モールの担当者でも運用できるようにする
推進母体/体制イオンモール、タケロボ
活用しているデータテナントや施設、マップなどモールの情報、AIインフォメーションに対する質問と回答
採用している製品/サービス/技術AI、クラウド