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茨城県つくば市、ネット投票にマイナンバーカードと連携した個人認証を検証

DIGITAL X 編集部
2020年9月30日

茨城県つくば市は、インターネット投票にマイナンバーカードと連携した個人認証システムを利用する仕組みの実証実験を実施した。公職選挙にネット投票を導入する際の課題を検証し、ネット投票の利用増につなげるのが狙い。システムを開発するVOTE FORが2020年9月14日に発表した。

 茨城県つくば市は、公職選挙へのインターネット投票の導入に取り組んでいる。今回、同市が開催する「令和2年度つくば Society 5.0社会実装トライアル支援事業」の最終審査において、マイナンバーカードと連携した個人認証システムを採り入れた仕組みを2020年9月18日の8時30分~9月25日の14時30分にかけて検証した(図1)。

図1:デジタルIDアプリ「xID」を使用したネット投票の流れ

 検証したのは、デジタルIDアプリケーションの「xID」(xID製)。アプリケーションをダウンロードした後の初期設定において、マイナンバーカードに格納されている基本4情報(氏名、住所、性別、生年月日)をスマートフォンのNFC(近距離無線通信)経由で読み取り、xIDにひも付けることで重複のないユニークなIDを発行する。

 ネット投票の利用者は、xIDを初期設定してから特設ページにアクセス。xIDにひも付けたメールアドレスや認証コードを設定した後に、スマートフォンを使って投票した。

 令和2年度つくば Society 5.0社会実装トライアル支援事業は、近未来都市の実現を目指すSociety5.0に向けて、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI、ビッグデータ解析などの技術を利用した製品/サービスを社会実装するための提案を全国から公募するもの。

 ネット投票の仕組みは、VOTE FORがxIDを用いたシステムの企画から仕様設計、要件定義、進行管理まで、投票全般のプランニングと開発を担当した。

 つくば市とVOTE FORは、これまでもネット投票の実証実験を展開してきた。2018年には、マイナンバーカードとブロックチェーンを使用したネット投票システムを提案、2019年には顔認証を加えた実証実験を実施した。ただ、これまでは、スマートフォンからの投票ができず、投票数が伸び悩んでいたという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名茨城県つくば市
業種公共
地域茨城県つくば市
課題公職選挙でのインターネット投票の実現に向けて、ネット投票の信頼性・利便性を高めたい
解決の仕組みマイナンバーカードと連携して個人認証する仕組みを構築し、スマートフォンアプリを用いて投票できるようにする
推進母体/体制つくば市、VOTE FOR、xID
活用しているデータマイナンバーカードの情報、利用者のメールアドレス
採用している製品/サービス/技術デジタルIDアプリ「xID」(xID製)
稼働時期2020年9月18日~9月25日(実証期間)