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茨城県大子町、交通インフラの維持を目的に「AI乗合タクシー」とカーシェアリングを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年10月2日

茨城県大子町は、地域の交通インフラとして、AI(人工知能)技術を利用した乗り合いタクシーとカーシェアリングを利用する実証実験を2020年10月1日から開始する。地域面積が広く、高齢化が進む大子町内において移動手段の柔軟性を図り、交通インフラの維持を目指す。2020年9月17日に発表した。

 茨城県大子町が取り組むのは、地域の交通インフラとして「AI乗り合いタクシー」とカーシェアリングを利用する実証実験(図1)。地域住民と合わせて、観光客の利用も想定し、2020年10月1日から2021年9月30日にかけて実施する。

図1:大子町公共交通実証実験全体イメージ

 AI乗合タクシーは、配車ルートをAI(人工知能)を使って決定する乗り合いタクシー。利用者が選んだ乗降場所と乗車人数を元に配車ルートを決定し、乗車予定時刻を提示する。利用者は、スマートフォンのアプリやWebサイト、または電話で予約すればよい(図2)。指定乗降場所は、自宅近くの乗降場所や公共施設、商業施設などから選択する。実証では2台の車両を使い、町民の生活圏および町内の観光エリアで無料運行する。

図2:AI乗合タクシーを予約するまでの流れ

 並行してEV(電気自動車)を利用したカーシェアリングの実証実験も計画する。大子町にはレンタカーのサービスが提供されていないため、住民の日常利用や鉄道で訪れた観光客の移動手段として、1台につき15分当たり100円の利用料で提供する予定だ。

 本実証実験は、2020年9月17日に大子町がNTTドコモおよび茨城日産自動車と締結した「大子町公共交通実証実験推進に関する連携協定」に基づいて実施する。NTTドコモがオンデマンド乗合交通システムの「AI運行バス」を提供し、茨城日産自動車が実証実験用の車両を提供する。

 また、2019年の台風19号の被害によって、鉄道での移動が困難になっている町民を支援するため、南田気地区と下津原地区を運行する臨時無料巡回バスも運行する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名茨城県大子町
業種公共
地域茨城県大子町
課題高齢化と人口減少が進むなか、地域の移動手段としての交通インフラを維持したい
解決の仕組みオンデマンドで利用できるAI乗合タクシーやカーシェアリングなど複数の交通手段を組み合わせ、柔軟な移動を可能にする
推進母体/体制茨城県大子町、NTTドコモ、茨城日産自動車
活用しているデータ配車予約システムの乗降場所と乗車人数、大子町の地図や道路の情報、移動実績など
採用している製品/サービス/技術乗り合い交通システム「AI運行バス」(NTTドコモ製)
稼働時期2020年10月1日から2021年9月30日(連携協定に基づく実証期間)