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コープこうべ、コールセンターの「くらしの情報センター」に音声認識AIを導入

DIGITAL X 編集部
2020年10月5日

生活共同組合コープこうべは、コンタクトセンターをクラウドベースに刷新し、併せて音声認識AI(人工知能)を使ってオペレーターに標準回答案を提示する仕組みを導入した。システムを構築したコムデザインと東芝デジタルソリューションズが2020年9月28日に発表した。

 生活共同組合コープこうべは、コールセンターとして「くらしの情報センター」を運用している。宅配から店舗、共済、電力、福祉など、同組合が手掛ける全事業の問い合わせを受け付けることで組合員の利便性を高めているが、運営側の業務負荷は高く、人手不足やコロナ禍でのオペレーター不足・育成が課題になっていた。

 今回、コールセンターの電話交換システムをクラウドベースに刷新し、既存の運営拠点だけでなく、代替拠点での運営ができるようにした(図1)。複数拠点接続や事務所電話、携帯電話などでの応対も可能にする。

図1:刷新したコールセンター「くらしの情報センター」の構成図

 併せて音声認識AI(人工知能)を導入し、標準回答データベースと連携させた。問い合わせ内容をAIでテキストに変換し、重要と推定されるキーワードに基づいて標準回答案を検索し、オペレーターに提示する。これにより、コールセンター業務の効率化と顧客満足度の向上を図りたい考えだ(図2)。

図2:会話内容を解析して標準回答案を表示し、オペレーターの負担を軽減する

 IVR(自動応答電話)機能により、着信を対応可能なオペレーターに振り分けるようにもした。オペレーターの段階的な育成や研修時間の短縮も期待する。

 新コールセンターに採用したシステムは、クラウドCTI「CT-e1/SaaS」(コムデザイン製)およびオプション機能の音声認識AIと、生協向けコールセンターシステム(東芝デジタルソリューションズ製)である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名コープこうべ
業種流通・小売り
地域神戸市
課題コールセンター業務の効率化とオペレーターの負担の低減を図り、組合員の満足度を高めたい
解決の仕組み音声交換の仕組みをクラウドベースにし、複数拠点を連携しての回答ができるようにすると同時に、音声認識AIと標準回答データベースを連携し、問い合わせに対する標準回答案をオペレーターに自動で提示する
推進母体/体制コープこうべ、コムデザイン、東芝デジタルソリューションズ
活用しているデータ問い合わせの音声データ、標準回答データベース
採用している製品/サービス/技術生協向けコールセンターシステム(東芝デジタルソリューションズ製)、クラウドCTI「CT-e1/SaaS」および音声認識AI(いずれもコムデザイン製)