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大和ハウス工業、施工現場の作業負担軽減を目的に遠隔管理を実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年10月12日

大和ハウス工業は、戸建住宅の施工現場における作業負担軽減を目的に、施工現場を遠隔管理する実証実験を2020年10月1日に開始した。複数の施工現場の映像や作業員のデータを一元管理し、作業効率の向上を図る。2020年9月30日に発表した。

 大和ハウス工業は、戸建て住宅の施工現場を遠隔管理する「スマートコントロールセンター」を全国10カ所の事業所に設置し、2020年10月1日に運用を開始した(図1)。複数の施工現場の映像や作業員のバイタルデータなどを一元管理し、現場のコミュニケーション支援や作業の効率化を図ることで、作業負担を軽減する。

図1:全国の施工現場を遠隔監視する「コントロールセンター」(左)と、映像分析のイメージ(右)

 スマートコントロールセンターでは、施工現場に設置したカメラやセンサーなどからデータを収集し、センターに配置したモニターを通じて遠隔管理する。各センターでは、常時5カ所の施工現場の品質管理や安全管理などを遠隔で実施する。施工現場では、現場監督や作業員がタブレットやスマートフォンを使ってセンターに集約された情報を共有できる。

 実証実験では、AI(人工知能)を使った映像分析も導入する。施工現場の映像をAI技術で分析し、工事の進捗管理や作業員の安全性向上、健康管理の有効性を検証する。工事の進捗管理では、掘削やコンクリートの打設など、工程の進捗状況のデータベース化に取り組み、工場での部材生産や物流倉庫からの部材輸送などの工程の最適化を目指す。

 安全性向上では、作業員や建機、部材などの位置情報をデータベース化し、建機による巻き込み事故や部材の落下事故などの危険を事前検知する。

 大和ハウス工業は2021年4月以降、遠隔管理の対象を戸建て住宅だけでなく、店舗や物流施設など大型施設の施工現場に拡大させる考えだ。これにより、現場監督者の作業効率を3割向上させる(図2)。

図2:スマートコントロールセンターによる工事管理の将来イメージ

 スマートコントロールセンターは、大和ハウス工業の施工管理手法と、NECのAIを使った映像分析技術・システム構築を組み合わせて構築した。作業員のバイタルデータの管理には「建設現場顔認証forグリーンサイト」(NEC製)を利用する。NECは2021年度中を目標に施工現場の遠隔管理機能を汎用化し、建設業界への展開を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大和ハウス工業
業種製造
地域大阪、東京、仙台、埼玉、柏、横浜、名古屋、金沢、広島、福岡(大和ハウス工業の事業所10カ所)
課題戸建て住宅の施工現場における作業効率と作業員の安全性向上を図りたい
解決の仕組み施工現場の品質および作業員の安全を遠隔から一元管理したうえで現場と共有する
推進母体/体制大和ハウス工業、NEC
活用しているデータ施工現場の映像、工事の進捗状況に関する情報、作業員や建機などの位置情報、作業員のバイタルデータ
採用している製品/サービス/技術AI技術、バイタルデータ管理「建設現場顔認証forグリーンサイト」(NEC製)、安全書類作成サービス「グリーンサイト」(MCデータプラス製)、
稼働時期2020年10月1日