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武田薬品、クラウドファースト推進しデータ/デジタル領域の人材を今後3年間で新たに数百人採用へ

DIGITAL X 編集部
2020年10月27日

武田薬品工業は、経営基盤をクラウド優先で構築する“クラウドファースト”を推進するために、アクセンチュアおよびAWS(Amazon Web Services)と、5年間にわたる戦略的提携契約を締結したと2020年10月14日に発表した。

 武田薬品は、クラウドの利用を前提とした事業変革を推進する。IT基盤の刷新やデータサービスの加速、イノベーション創出に向けた社内組織の変革、従業員への新たなスキルの習得や働き方を許容する体制を整え、事業変革を図る。並行して今後3年間で、データおよびデジタル領域の人材を新たに数百人採用するとともに、数千人にのぼる従業員のスキル向上を図る。

 データサービスおよびその活用力の強化を通じ、ライフサイエンス分野におけるエコシステムや外部パートナーとの連携を拡大する取り組みを進める。その一環として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する臨床研究の拡大を目的とする「COVID R&D Alliance」に向けて、データの安全な共有および臨床試験推進プラットフォームを5日足らずでクラウド上に構築したという。

 こうした事業変革のために武田薬品は、アクセンチュアおよびAWS(Amazon Web Services)と戦略的提携契約を締結した。クラウド活用を前提とした“クラウドファースト”のアプローチを採用し、不要なシステム構築作業を排除することで、これまで以上に高い拡張性と信頼性を担保したITアーキテクチャーの構築に取り組む。アプリケーションの80%はクラウドに移行し、支出の抑制を図るという。

 加えて今回の提携を新たな治療薬の開発にも生かす。同社は、最先端の血漿収集センターの設立を進めており、2024年までに血漿の採取能力と製造能力を65%以上向上させる計画を持つ。今回の提携で、医薬品の供給力の増強とともに新たな治療を加速させたい考えだ。

 武田薬品のクリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOは、「私のビジョンは今後10年以内に当社の従業員全員がAI(人工知能)をよりよい判断の手助けとなるように活用し、革新的な治療薬や体験をこれまで以上に迅速に患者や医師、医療費を払う人たちに提供できるようになることだ。アクセンチュアおよびAWSとの提携により、このビジョンをさらに前進させて実現する」と述べている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名武田薬品工業
業種製造
地域東京都中央区(本社)
課題革新的な治療薬や体験をこれまで以上に迅速に患者や医師、医療費を払う人たちに提供できるようにしたい
解決の仕組みアクセンチュアおよびAWSとの提携によりデータサービスおよびその活用力を強化し、医薬品の開発を加速させる
推進母体/体制武田薬品工業、アクセンチュア、AWS
活用しているデータ医薬品や治療法に関する情報
採用している製品/サービス/技術AWSのクラウドサービス