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キリンHD、新たな顧客体験を提供するためにグループ共通の顧客データ基盤を構築
キリンホールディングスは、顧客とのコミュニケーションツールを統合した「デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(DXP)」を構築し、2020年10月から運用を開始した。、グループの事業活動の土台として顧客データを一元管理することで、新たな顧客体験の創出を図る。システムを共同開発したNTTデータが2020年10月21日に発表した。
キリンホールディングス(キリン)が運用を始めた「デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(DXP)」は、事業部門ごとに個別最適になっていた消費者とのコミュニケーションツールを統合したもの(図1)。顧客データを一元管理することで、グループが持つすべての顧客属性を分析し、よりパーソナライズ化した新しい顧客体験の提供を目指す。
これまで事業部門ごとに構築していたシステムを集約することで、迅速なマーケティング施策につなげたい考えだ。事業部門が施策に注力できる環境を整え、キャンペーンなどの新メディアや新事業を立ち上げる際のスピードを速め、キリンのビジネス全体の付加価値を高める。
キリンではデジタルプラットフォームの強化を必要としていた。背景には、セキュリティへの脅威やアルコール規制の高まり、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)やオンライン店舗の拡大、消費者の価値観や行動の多様化などがある。
DXPでは、(1)老朽化対応や今後想定されるセキュリティ脅威への予防、法規制対応、(2)個々の事業部門・ビジネスごとに散見されるデータの一元的な管理、(3)新事業立ち上げへの対応スピードの高速化が実現できるという。
DXPはクラウド環境において、NTTデータと共同開発した。PaaS(Platform as a Service)の「heroku」(米Salesforce.com製)を採用し、汎用のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)により、新事業立ち上げ時のコミュニケーションツール作成作業の高速化を図る。
ほかに「Salesforce Marketing Cloud」や「Service Cloud」(いずれも米Salesforce.com製)、ETL(Extract Transform Load)ツール(Talend製)などを組み合わせている。
企業/組織名 | キリンホールディングス |
業種 | 製造 |
地域 | 東京都中野区(本社) |
課題 | 事業部が個別にコミュニケーションツールを導入し、顧客データが一元管理できておらずグループとしての施策に注力できない |
解決の仕組み | 事業部門別コミュニケーションツールを結合し、キリングループ全体で顧客データを一元管理する |
推進母体/体制 | キリンホールディングス、NTTデータ |
活用しているデータ | 消費者とのコミュニケーションに関する情報 |
採用している製品/サービス/技術 | 「heroku」「Salesforce Marketing Cloud」「Service Cloud」(米Salesforce.com製)、ETLツール(Talend製) |
稼働時期 | 2020年10月 |