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静岡鉄道など、MaaS(Mobility as a Service)アプリ「しずてつ MapS!」を提供

DIGITAL X 編集部
2020年11月2日

静岡鉄道を代表幹事とする静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトは、MaaS(Mobility as a Service)アプリ「しずてつ MapS!」を2020年10月23日から配信している。同アプリを使って、交通サービスの利便性向上とデータ活用の可能性を検証するための実証実験を2020年11月1日に開始する。2020年10月23日に発表した。

 静岡鉄道ら静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトが配信を開始したのは、MaaS(Mobility as a Service)用のスマートフォン用アプリケーションの「しずてつ MapS!」。オンデマンド交通サービスを利用するための機能や、静岡鉄道の混雑情報、混雑予測に基づくクーポン発行、近隣店舗案内などの機能を提供する(図1)。

図1:「しずてつ MapS!」でのオンデマンド交通の予約画面の例(しずおかMaaSのホームページより)

 実証プロジェクトでは、しずてつ MapS!を使った交通サービスの利便性向上とデータ活用に向けた実証実験を2020年11月1日から12月25日まで実施する予定である。地域交通のあり方や働き方改革にも取り組む考えだ。

 実証実験で検証するのは、(1)自家用車の運転スコアリングデータの取得・分析、(2)AI(人工知能)オンデマンド交通サービス「草薙のりあい号」「庵原のりあい号」の運行、(3)公共交通機関の混雑回避である。

 自家用車の運転スコアリングデータの取得では、ドライバーに運転データを取得できるデバイスを無償で貸与する。取得した運転スコアは月に1度、スコアリング報告書にして参加者に送付。安全運転を啓発するとともに、モビリティデータの取得・分析を通じて、データ利活用の可能性を探るとともに、交通・まちづくりの施策に利用する。

 AIオンデマンド配車システムでは、タクシーのように乗降場所を自由に決められる乗り合いサービスを運行する。旅客と貨物(宅配物)を混載し、コロナ禍における宅配ニーズに対応した車両の有効活用の可能性を検証する。のりあい号の会員登録や予約・決済は、しずてつMapS!を利用する。

 公共交通機関の混雑回避では、静岡鉄道の主要5駅のホームにセンサーカメラを設置し、現在の混雑状況と過去の利用状況から算出した快適乗車情報(混雑予測情報)を、しずてつMapS!や駅のデジタルサイネージ、しずおかMaaSホームページで提供する。混雑予測に基づき、飲食店や小売店で使えるデジタルクーポンを配信することで、混雑の回避を誘導する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクト(代表幹事は静岡鉄道)
業種交通
地域静岡市(本社)
課題交通サービスの利便性を向上させるとともに、モビリティデータ活用の可能性を検証する
解決の仕組みモビリティデータの分析・活用やAIオンデマンド交通サービスの運行、電車の混雑情報を通知するアプリの提供を柱とするMaaS事業を実施する
推進母体/体制静岡鉄道、静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクト、日本ユニシス
活用しているデータ自家用車の運転データ、AIオンデマンド交通サービスの運行情報、静鉄電車のセンサーカメラの撮影データ
採用している製品/サービス/技術自家用車の運転データを取得するデバイス、AIオンデマンド配車システム、センサーカメラ、MaaSアプリ、デジタルクーポン
稼働時期2020年11月~12月25日(実証実験の期間)