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米ゴールドマン・サックス、自社開発したデータ管理プラットフォームをオープンソース化

DIGITAL X 編集部
2020年11月6日

投資銀行の米ゴールドマン・サックスは、自社で開発・運用してきたデータ管理プラットフォームの構成モジュールをオープンソースソフトウェア(OSS)化し、外部への提供を開始した。金融サービス関連のOSSコミュニティであるFintech Open Source Foundation(FINOS)が2020年10月19日に発表した。

 米ゴールドマン・サックスは、社内でのデータ管理のためのプラットフォームを独自に開発し全部門で使用してきた。今回、同プラットフォームを構成する5つのモジュールのソースコードを「Legend」としてオープンソースソフトウェア(OSS)化した。Linux Foundation傘下のFintech Open Source Foundation(FINOS)を通じて、他の金融機関に提供する。

 Legendを使えば、データセントリックなアプリケーションと、データドリブンなインサイトの開発が可能になる。データガバナンスを自動化したり、データ分析をセルフサービスで実施するためのツールを提供したりできる。

 ゴールドマン・サックスのCTO(最高技術責任者)は、「Legendが広く採用されることで、金融サービスにおけるエコシステム全体で標準化と効率化が促進されることを期待する」と述べている。

 Legendについてはすでに、銀行間の協調的なデータモデリングと標準化のプロトタイプ作成に利用されている。ドイツ銀行や米モルガン・スタンレー、加RBCキャピタルマーケッツといった主要な投資銀行が、FINOSインフラ上でホストされたLegend共有バージョンを使っている。

 加えて、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)が開発したコモンドメインモデル(COM)の拡張機能を構築するために、6カ月間のパイロット運用を実施した。今回の発表は、パイロット運用の完了を踏まえたものである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名米ゴールドマン・サックス
業種金融・保険
地域米ニューヨーク州(本社)
課題金融サービスのエコシステム全体の標準化と効率化を促進したい
解決の仕組み自行で開発したデータ管理プラットフォームをオープンソース化し、他の金融機関が利用できるようにする
推進母体/体制米ゴールドマン・サックス、Fintech Open Source Foundation、ドイツ銀行、モルガン・スタンレー、RBCキャピタルマーケッツなど
活用しているデータ投資銀行業務で扱うデータ
採用している製品/サービス/技術国際スワップデリバティブ協会(ISDA)によって開発されたコモンドメインモデル
稼働時期2020年10月