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静岡県浜松市、中山間地域でのオンライン診療に移動診療車を使う医療MaaSを実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年11月9日

静岡県浜松市は、中山間地域における高齢者の通院や医師不足などの課題解決に向けて、移動用診療車を使ったオンライン診療の実証実験を2020年10月19日から始めている。持続可能な地域医療サービスの環境整備を目指す。実験に参加するMONET Technologiesが2020年10月27日に発表した。

 静岡県浜松市が取り組むのは、天竜区の春野地区における移動用診療車を使ったオンライン診療の実証実験(図1)。中山間地域における高齢者の通院や医師不足などの課題を解決するため、モビリティと医療分野を連携させたMaaS(Mobility as a Service)を活用することで、持続可能な地域医療サービスの環境整備を目指す。

図1:オンライン診療の実証実験のイメージ

 実験で検証するのは、(1)移動診療車を活用したオンライン診療、(2)オンライン服薬指導および薬剤配送の2つ。2020年10月19日~12月下旬までを予定する。

 オンライン診療では、春野町にある診療所の患者、10人程度を対象に、医療機器を搭載した移動診療車を使ってオンライン診療を実施する(図2)。看護師が移動診療車で患者の自宅付近まで訪問し、車内のテレビ会議システムを介して医師が遠隔地から患者を診察する。

図2:実証実験で使う移動診療車

 オンライン服薬指導および薬剤配送では、オンライン診療を実施した患者に対し、オンラインで服薬を指導する。薬剤の配送には、車両配送のほかに、ドローンを利用する計画だ。

 本実証実験は、経済産業省が「地域新MaaS創出推進事業」によって公募した先進パイロット地域の1つ。浜松市を代表とする「春野医療MaaSプロジェクト」が実施する。プロジェクトには、磐周医師会、MONET Technologies、杏林堂薬局、トラジェクトリー、博報堂、浜松市モビリティサービス推進コンソーシアムが参加する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名静岡県浜松市
業種公共
地域静岡県浜松市天竜区春野地区
課題中山間地域における高齢者の通院や医師不足などの課題を解決し、持続可能な地域医療サービスを提供したい
解決の仕組み移動診療車を使ったオンライン診療とオンライン服薬指導を導入し、持続可能な医療サービスの環境を整備する
推進母体/体制浜松市、磐周医師会、仁成小澤医院、MONET Technologies、杏林堂薬局、トラジェクトリー、博報堂、浜松市モビリティサービス推進コンソーシアム
活用しているデータ医師の診察および患者の健康状態などの情報
採用している製品/サービス/技術MaaSのためのプラットフォーム(MONET Technologies製)テレビ会議システム、ドローン、3D地図
稼働時期2020年10月19日~12月下旬(実証実験の期間)