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出光興産、EVを加味した太陽光発電と蓄電池の充放電を最適化する技術を実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年11月13日

出光興産は、太陽光発電における蓄電池の充放電にEV(電気自動車)のバッテリーを加味して最適に制御する技術の実証実験を2021年3月から開始する。家庭における電力コストの低減や小売電気事業者の調達コスト低減を目指す。2020年10月29日に発表した。

 出光興産が取り組むのは、EV(電気自動車)および蓄電池の充放電制御を最適化するための実証実験(図1)。太陽光、EV、蓄電池などの充放電を複合的に制御することで、電力需要家や小売電気事業者のコスト低減などを実現したい考えだ。同社の100%子会社ソーラーフロンティアの国富工場(宮崎県)で、2021年3月1日から2021年12月31日まで実施する。

図1:実証実験のイメージ

 実験では、事務所棟の電力需要や、ソーラーカーポートの発電量、複数台のEVの稼働状態、卸電力市場動向などの予測値などを基に、EVおよび蓄電池の充放電計画を作成し、太陽光とEV、蓄電池などを複合的に制御する(図2)。

図2:エネルギーとモビリティの価値を最大化する30分値単位の充放電計画を作成する

 EVおよび蓄電池の充放電の最適化により、4つのケースに対応するシステムの構築を目指す。(1)EVおよび蓄電池などの分散型電源の特性を踏まえた複合制御による電力のピークカット、(2)EV稼働状態予測(日本ユニシスが特許出願済み)を使った基本料金超過抑制と電力のピークシフト、(3)小売電気事業者の調達コストの低減に向けた日本卸電力取引所(JEPX)価格予測にもとづく充放電制御、(4)ワークプレイスチャージング、災害時BCP対策である(図3)。

図3:1日の電力制御イメージ

 出光興産は実証実験において、EVや蓄電池などの充放電遠隔制御、機器構成を含むシステムの全体像の検討、充放電計画の作成、実証フィールドの提供を担当する。リソース制御システムの構築、EV状態予測アルゴリズムを含む充放電計画の作成は、日本ユニシスが担当する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名出光興産
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題EV(電気自動車)を加味して太陽光発電による電力を有効に活用したい
解決の仕組みEVおよび蓄電池の充放電を制御するための複合制御技術を開発し、電力のピークカットやピークシフトを最適な形で制御する
推進母体/体制出光興産、日本ユニシス
活用しているデータ事務所棟の電力需要やソーラーカーポートの発電量、複数台のEV(電気自動車)の稼働状態、卸電力市場動向などの予測値
採用している製品/サービス/技術太陽光発電量やEVの稼働状態、EVおよび蓄電池の充放電を最適化する技術
稼働時期2021年3月1日~2021年12月31日(実証実験の期間)