• UseCase
  • 公共

管清工業、下水道管の異常判定作業にAI画像認識システムを導入

DIGITAL X 編集部
2020年11月26日

下水道メンテナンス事業を手掛ける管清工業は、下水道管(管きょ)の異常判定作業を支援するAI(人工知能)画像認識システムを全国の支店に2020年12月から導入する。検査員の作業効率を高め負担の軽減を図る。システムを共同開発したJSOLが2020年11月10日に発表した。

 下水道メンテナンスの管清工業が導入するのは、下水道管(管きょ)の異常判定を支援するAI(人工知能)画像認識システム。検査担当者が撮影した画像から下水道管の異常内容と異常ランクを判定し、検査員が目視点検すべき箇所を示す(図1)。検査員の異常判定作業の効率を高めるのを目的に全国の支店に導入する。

図1:下水道管の異常を自動判定するまでの流れ

 管清工業の検査担当者はこれまで、現場で下水道管を撮影し、事務所に戻ってから撮影画像をで目視で検査してきた。近年は点検業務が増加し、事務所での作業負担が増え異常判定作業の効率を高める方法を検討していた。

 システムは、JSOLと共同開発した。両者は2019年から、下水道管理におけるAI画像認識システムの実証実験を繰り返してきた。今回、業務に適用できる目途が立ったことから全支店への導入を決めた(図2)。

図2:AI画像判定処理の画面例

 下水道管の異常判定には、事前学習済みのAI機能を利用し、初期の学習負担を軽減した。AIモデルの開発には、AI開発向けのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を提供するクラウド「Azure Cognitive Services」(米マイクロソフト製)を利用している。ユーザーインタフェースは、検査担当者の意見を反映して開発した。

 JSOLは今後、動画や写真を使う目視点検業務をAIによる画像認識で効率化したいと考えている企業に対し、今回開発した技術を提供していく考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名管清工業
業種公共
地域東京都世田谷区(本社)
課題検査担当者が現場で撮影した画像を事務所で目視確認している下水道管の異常判定作業を効率化したい
解決の仕組みAI画像認識技術を使って、下水道管の撮影画像から異常を自動判定する
推進母体/体制管清工業、JSOL
活用しているデータ下水道管の撮影画像
採用している製品/サービス/技術AI画像認識システム(管清工業とJSOLが共同開発)、Azure Cognitive Services(Microsoft製)
稼働時期2020年12月(全国の支店への導入時期)