• UseCase
  • 製造

蘇州不二工机、迅速な経営判断に向けトレーサビリティとサプライチェーン連携を強化

DIGITAL X 編集部
2020年11月30日

不二工機の中国現地法人である蘇州不二工机が、迅速な経営判断を下すためのシステム環境の整備に取り組んでいる。新たな製造管理システムを2020年10月に稼働させ、製品のトレーサビリティを強化。併せて生産管理システムなどとの連携によりサプライチェーン全体の可視化を図っている。システムを構築した日立製作所が2020年11月16日に発表した。

 蘇州不二工机は不二工機の中国現地法人。中国江蘇省にあるエアコン用自動制御機器の製造工場において、製品のトレーサビリティを強化するために新たな製造管理システムを2020年10月に稼働させた(図1)。

図1:蘇州不二工机が構築した製造管理システムの概要

 新しい製造管理システムにより、製品に不具合が発生した際のトレースバック(遡及)とトレースフォワード(追跡)を可能にし、原因の迅速な究明と波及範囲を絞り込む。

 そのために、製造ロット単位で現品票をバーコードリーダーで読み取るほか、製造現場のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)化により、使用した部品のロットや、生産ラインの稼働状況、生産シフトなどを示すデータをリアルタイムに管理する。

 併せて、既存の調達・生産・販売系の基幹システムと連携することで、事業全体の可視化を図っている。事業全体の進捗状況やボトルネックをリアルタイムに把握できるようにすることで迅速な経営判断を下せるようにするのが目的だ。

 導入した新製造管理システムには、「FactRiSM(ファクトリズム)」(日立製作所製)を採用した。製造実行システム(MES)の国際標準規格に準拠した総合設備効率などのKPI(重要業績評価指標)の分析機能を持ち、同機能により製造現場の改善策を立案・実行し生産性向上を図る。

 FactRiSMが連携する基幹システムは、生産管理システム「WEBSKY」(日立製作所製)と、購買電子取引サービス「TWX-21Web-EDIGlobal」(日立製作所製)、および倉庫管理システム「ONEsLOGI」(日立物流ソフトウェア製)。これにより、製造現場の部品出庫・加工・組み立て・検査ラインにおけるデータと、作業計画と製品販売のデータ、調達先からの購入部品のロットデータ、部品の入出庫データを連携させている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名蘇州不二工机
業種製造
地域中国江蘇省蘇州市
課題製品のトレーサビリティを強化し、生産ラインの可視化を図ることで営判断を迅速化したい
解決の仕組み製造管理システムを刷新し、調達・生産・販売系の基幹システムと連携することで事業全体の見える化を図る
推進母体/体制蘇州不二工机、日立製作所
活用しているデータ製造現場の部品出庫・加工・組み立て・検査ラインにおけるデータと、作業計画と製品販売のデータ、調達先からの購入部品のロットデータ、部品の入出庫データ
採用している製品/サービス/技術製造管理システム「FactRiSM」、生産管理システム「WEBSKY」、購買電子取引サービス「TWX-21Web-EDIGlobal」(いずれも日立製作所製)、倉庫管理システム「ONEsLOGI」(日立物流ソフトウェア製)
稼働時期2020年10月