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ケーテー製作所、海外展開を視野に充填ラインのリモートメンテサービスを提供へ

DIGITAL X 編集部
2020年12月4日

医薬品や化粧品などの充填ラインを製造するケーテー製作所は、海外への事業展開を視野に、デジタル化を推進する。第1弾として製品のリモートメンテナンスサービスを投入。デジタルツインによる設計業務の効率化にも取り組む。そのために独シーメンスの日本法人と戦略的な協力関係を築く。シーメンス日本法人が2020年11月16日に発表した。

 ケーテー製作所は、医薬品や化粧品など製造に使う充填ラインのメーカー。グローバル市場での事業拡大に向けて、各国製薬業界の国際規則に対応するソリューションの提供できる体制の整備に取り組んでいる。

 その一環として、まず顧客企業が運用する充填ラインをリモートからメンテナンスする仕組みを構築する。顧客のSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)システムとの間にセキュアな通信環境を構築して実現する。

 さらに、デジタルツインの技術を活用し設計業務の効率化を進める計画だ。機械や制御方式の設計から、顧客が求める要求仕様に沿って確実に動作するように検証するコミッショニングまでを対象にする。

 これらを実行するために、独シーメンスの日本法人と戦略的な協力関係を築く。製品の市場競争力の強化およびエンジニアリング工数の削減といった課題の解決に向けた包括的な技術を得ると同時に、海外への事業展開に不可欠な海外製品規格への準拠やグローバルサポートに対し、シーメンスの協力を得る。

 例えば、リモートメンテナンスサービスの実現では、シーメンスの産業用セキュリティ機器「Scalance S」を利用する。他に、監査トレイル製品「Simatic WinCC Audit」やHMIアプリケーション向け運用デバイス「Simatic HMIコンフォートパネル」、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)のための通信規格である「OPC UA」に対応した「Simatic S7-1500コントローラー」を組み合わせる。

 ケーテー製作所の上月 謙太郎 専務は、「シーメンスと協力することで顧客に最適なソリューションを提供できる。日本のみならず海外へ進出していく第1歩を踏み出せると考えている」と話す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ケーテー製作所
業種製造
地域東京都墨田区(本社)
課題製品の市場競争力の強化や海外製品規格への準拠を進めたい
解決の仕組み事業のデジタル化を進め、製品の市場競争力向上と海外展開の体制を整える。そのために独シーメンス日本法人と戦略的な協力関係を築く
推進母体/体制ケーテー製作所、独シーメンス日本法人
活用しているデータ制御機器やネットワーク機器が扱う情報
採用している製品/サービス/技術Simatic WinCC Audit、Simatic HMIコンフォートパネル、Simatic S7-1500コントローラーなど(いずれも独シーメンス製)