• UseCase
  • 公共

東京都、災害時における緊急物資の輸送にドローンを使う実証実験

DIGITAL X 編集部
2020年12月9日

東京都は、災害発生時の孤立地域に緊急物資をドローンで搬送する実証実験を奥多摩町峰谷地区で2020年11月19日に実施した。ドローン運行管理システムを提供したKDDIが同日に発表した。

 東京都が実施したのは、災害発生時にドローンを使って孤立地域に緊急物資を搬送する実証実験(図1)。ドローンによる飛行ルートを選定し、片道3km程度の距離を最大10kgの物資を搬送し往復飛行した。

図1:実証実験で使用したドローン

 実験は、2019年の台風19号で実際に孤立が発生した奥多摩町で実施した。地域の実態に応じたドローンの有効性を検証するためだ。東京都は、2019年の台風19号による災害発生時に、ドローンによる物資の搬送を実施したが、飛行ルートの事前検証などの準備やドローン自体の荷物積載能力に課題があったという。

 今後は、2020年度中に奥多摩町、檜原村、日の出町でも、ドローンを使った物資搬送の実証を進める。ドローンの離発着地の選定と離発着地間のモデルルートの設定、ドローン飛行前の電波環境・支障物に関する調査を実施する(図2)。

図2:2020年度中に奥多摩町、檜原村、日の出町でも実証を進める

 実証実験では、目視外の自律飛行をモバイル通信を使って実現するKDDIのスマートドローン運行管理システムを使用した。ドローンの飛行状況のリアルタイムでの監視や、緊急着陸などの遠隔操作ができる(図3)。遠隔監視・制御によりドローンの目視外飛行を実現し、リアルタイムでの上空高精細気象や3次元地図に対応する。

図3:実証に利用したスマートドローン運行システム
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京都
業種公共
地域東京都・奥多摩町、檜原村、日の出町
課題災害発生時、孤立地域への緊急物資をドローンを使って搬送したい。2019年の災害発生時にはドローンによる物資の搬送を実施したが、ルート設定などに課題が残った
解決の仕組み飛行ルートの事前検証やドローンの荷物積載能力を高める
推進母体/体制東京都、KDDI
活用しているデータ気象、地図、電波などドローンの飛行に関連する情報
採用している製品/サービス/技術スマートドローン運行管理システム(KDDI製)、プロドローン製ドローン
稼働時期2020年11月19日(奥多摩町での実証実験日)